コラム・インタビュー

[B-Review] プラットフォーム

プラットフォーム

 今日はプラットフォームと言う映画をご紹介したいと思います!2019年に公開された映画でスペインのガルダー・ガステル=ウルティア監督の長編初監督作品となっていますが、それほど沢山の作品は制作していません。もったいない…。

 ジャンルはソリッドシチュエーションスリラーと呼ばれるジャンルになります。閉鎖的な空間で極限の状態に置かれる主人公がどうやって生き延びるか、脱出するかなどを描いた作品ですね。わかりやすい例を挙げると”ソウシリーズ”や”CUBEシリーズ”。一世を風靡した”ブレアウィッチプロジェクト”もこのジャンルに分けられます。低予算で作られることで知られるジャンルですが、似たようなのばっかりじゃーんと思ってると思いがけない掘り出し物に出会えることが多いのもソリッドシチュエーションスリラーの醍醐味です。

【あらすじ】

 舞台は縦に無数の階層が並ぶ監獄施設。各階層には2人の囚人が配置されており、食事は巨大なプラットフォームと呼ばれる土台に載せられて上層階から順番に降りてきます。上層階の人々は豪華な料理を十分に食べられますが、下層に行くほど食料は減り、最下層ではほとんど何も残りません。

 主人公のゴレンは、自ら希望してこの施設に入ります。目覚めると48と刻まれたコンクリート打ち放しの無機質な部屋にいます。同室の老人トリマガシと共にサバイバルを開始します。やがてゴレンは、この施設の残酷な仕組みに直面し、食料を公平に分け与えるべきだと考え始めます。しかし、階層間の格差や人間のエゴに阻まれ、彼は過酷な選択を迫られていきます。

【レビュー】※ネタバレあり

 以前レンタルで何の前情報も無しで見たのですが、どこか心から離れない面白さがあるのがこのプラットフォーム。0階層作られた料理が不思議にも浮いてる石の土台、プラットフォームでエレベーターのように下に降りてくるのですが、上の階層にいる人たちは制限時間の中で好きなだけ食べられ、階が進むにつれて残飯のようなご飯になり、グラスは割られ唾もかけられ何をされているのかわからない食料で生き延びなければなりません。一カ月が経つと強制的に寝かされて別の階層に移動させられます。その時にどの階層に行かされるのかは本人たちはわかりません。

 そのほかにもルールがいくつかあり、例えばプラットフォームから食事を取って後で食べようとすると部屋の温度が上がったり下がったりして死ぬことになったり、同居人を殺そうが食べようが、上下の階層の人たちと会話はすることも出来るし、水もトイレも完備されています。ソリッドシチュエーションとして見ると大分ぬるく、日本語訳のせいなのかイマイチこの施設に来た目的もわからないんですよね。半年いれば認定証がもらえると言うセリフはあるのですが、その認定証がなんなのかはわかりません(笑)

 この施設も何の施設なのか、「垂直自己管理センター」ってことらしいんですけど何を管理するためなのか…。恐らくみんな何かしらの罪を犯しているっぽいので囚人なんだと思います。更生させるための施設なんでしょうねぇ。その割には何か一つだけ持って入れる設定があるのでTBS冒険少年みたいなワンバッグシステムぽいのも謎…微妙にぬるさを感じる収容所ですね。途中日本刀持ってる人出てくるし。

 途中でちょこちょこ入る綺麗な厨房の描写も全くピンとこないんですよね。支配層が全てを握っていることを描きたいのかも知れませんが…もうちょっと説明を…。

 途中からはそれまでの登場人物はみんな死んで、いや殺されて、6階層で一緒になった人と管理者に一矢報いようとプラットフォームに乗って最下層まで行き、食料を分配してみんなで生き延びるんだ的なサバイバルが始まるのですが、途中からパンナコッタを綺麗な状態で0階層まで戻すことがメッセージになるみたいな流れになり、エンディングは全てが雰囲気で終わる感じでもうなんてこったパンナコッタしか感想が出てこないみたいな不思議な状態になれますよ!

【まとめ】

 何となくディスってる感じになってるかも知れませんが、出ている役者さんとかセリフの言い回しとか映像の雰囲気、どれを取っても印象的なんです。本当に!

 食べ物が粗末に扱われてたりするので、そこに嫌悪感を抱く人は一定数いると思います。食べ方も貪り食うように食べるので汚いですし。カニバリズムも少々入っていますので見る人は選ぶのかなぁって感じはしますが、グロい描写はほとんどありません。お金かかっちゃいますしね。心情描写だったり長台詞だったり、そういうとこがうまいなぁと思わされる作品です。

 それとミハルって言うこの作品のヒロインになるんですかね。この監獄施設で子供を産んだようでプラットフォームに乗って移動しながら子供を探している女性がいるのですが、この女性が綺麗なんですよ。こんな状況だから綺麗に見える部分もあるのかもとか思ってましたがそんな事はなかったです。アレクサンドラ・マサンカイと言うスペインの女性ですね。ルーツはフィリピンの方みたいです。ちらっとだけうっふんシーンがあるので興味のある方は真っ赤な画面を目を皿のようにしてガン見してみてくださいね。

 現在は各種サブスクで配信されていると思うので是非見ていただきたい作品です。2024年にはネットフリックスでプラットフォーム2が配信されているので、こちらも見たらレビューしたいと思います。こっちはあんまり評判良くないんで楽しみです!

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