今回は「プラットフォーム2」をご紹介したいと思います。こちらは先日ご紹介したプラットフォームの続編になりまして、ネットフリックス独占配信として2024年に公開されました。プラットフォームは2019年の作品なので5年後に続編が公開された形になります。
監督はもちろん前作と同じガルダー・ガステル=ウルティア監督です。ジャンルも前作同様ソリッドシチュエーションスリラーです。もしこちらの紹介記事から見てしまった方は前作の紹介記事から読んだ方が…?いやどっちもどっちだ!気になったら見てみてください。
【あらすじ】※ネタバレあり
映画『プラットフォーム2』は、前作『プラットフォーム』の続編として、再び縦型の垂直自己管理センターと呼ばれる刑務所を舞台に物語が展開されます。
上階から順番にプラットフォームと呼ばれる土台に乗って食べ物が運び込まれます。高層階の住人は食べ物を十分に食べることができますが、低階層の住人は飢餓に陥る危険があります。毎月の終わりに囚人はランダムに違う階層に割り当てられます。
主人公の女性プレンプアンと、短気で太った男性ザミアティンは、新人として「穴」の第24層に収容されます。彼らのすぐ上の階には、ロベスピエールという男がいて、マスター(救世主)の教義を忠実に守るロイヤリストとして、他の囚人たちに「テーブルに乗ってきた料理の中で、自分が好物だと面接で申告したものだけを食べるべきだ。そうすれば最下層まで食料が行き届く」と説きます。
しかし、上層階の囚人たちが食料を多く摂取することで、下層階では食料不足が深刻化し、殺し合いにまで発展します。ルールを守れない人たちは食料にされたり腕を切断されたりと厳罰に処されることになります。ザミアティンは収容されたばかりの頃に上階で死んだ人の分の食料を盗み食べてしまい、規律を守れなかったと後悔する時間を過ごす中で生きていく希望もなくして自ら命を絶ってしまいます。
次の月、プレンプアンは新しい同居人と脱出計画を企てますが、メシアの集団と対立し一方的に仲間は殺され、本人は片腕を切り落とされてしまいます。さらに、ロイヤリスト達の理想に幻滅し、バーバリアンと呼ばれるグループを集めて大規模な戦いを仕掛けます。凄惨な戦いが終わり、生き残ったのはプレンプアンと前作にも出てきたトリマガシだけでした。
プレンプアンはこの施設を脱出できるのでしょうか。最下層にはどのような世界が広がっているのか…。
【レビュー】※ネタバレあり
難しい!難しいんですよこの映画!前作とどう絡んでるのかと言うのもわかりづらいんですよね。収容所に入るときの面接官は前作で出てきた人だし、途中でトリマガシが出てくる、ミハルの子供とされた子も出る、ゴレンも出る。前作の前日譚なのかと思いきや同時進行だったりするのだろうか?
前作と違うのは、諸々の説明を最初にたっぷりとしてくれるとこですかね。この施設がどういうところなのか、規律とは何なのか、規律を広めようとする集団がいること、守らないと罰則があること、最終的な目的は最下層までの全員に食事が与えられることなんだと思いますが、そもそも333階層、各階層2人分って考えるとプラットフォームに乗っている食事では全く足りないと思いますがどうなんでしょう(笑)
前作にあった謎のシェフ集団の描写はなくなりましたが、最下層で何かをしている子供の集団が増えました。どういうこっちゃ!何をしてるんだこの子たちは!映画見ただけじゃわからないんですよほんとに。自由の象徴なのか何かだと思ったのですが、最下層で儀式みたいなことをしているだけで象徴だとしたら囚人たちには見えないだろうからちょっと違うかなと。
と言うことで全くわからないので調べてみました。
どうやら、施設では子供たちが囚人を操作するための道具として使われている、希望の偽りの象徴として、脱走を阻止するために使われている、との事でした。
んー?
それと中盤に出会う片腕の女性サハバトと逃亡計画を立てていて、食べると仮死状態になるようなもので描かれた油絵があり、それを食べて仮死状態になり、遺体の回収にまぎれて脱出しようと言うことだったようです。
んー??
最下層では前作のエンディングのような展開でゴレンがプラットフォームから降りてきます。そこでプレンプアンと出会い「ここで何を?」と抱き合ったところで本作は終わるのですが、どういう関係なのかさっぱりわからない!
んー???
どうやらプレンプアンはゴレンの元婚約者だったようです。前作を見ててもわからないって…。察するにはヒントが無さ過ぎるよ…。
前半では前作でわからなかったことを説明してくれたり、本作がどういう設定の世界なのかを教えてくれてたりしたので、わかりやすくなったのかと思いきや。最後まで見ると前作の謎も相まってますますわからなくなる不思議な作品でした。
【まとめ】
もしかすると前作を見るよりも、2を見て1を見た方がわかりやすいのではないかとも思える不思議な作品でした。見れば見るほどわからない(笑)
もったいないなぁと思うんですよね~。登場人物が多くなっちゃって人物の深堀りまで時間を割くことが出来なかったようにも思います。なんでこれがこうなっているのかを教えるのではなく、これはこうだからこう見ろ!って言われているような。
どの階層から始まったか、同居人が誰なのか、によって物語は3つで構成されているのですが、1部は色々な説明、2部で打ちのめされ、3部で復讐をし、エンディングを迎えるといった感じです。それぞれがそれぞれで含みを持たせ、見る側に想像を強いられるので段々追いつけなくなるんですよね。
出ている役者さんたちは熱演してるし、断片的に前作と本作の繋がりは感じることが出来るんですね。プレンプアンがロイヤリストに自分の肉を少しずつ削いで食べさせてやるって言うとかね。トリマガシもゴレンに同じことをしていましたね。
前作プラットフォームの時にも書きましたが、決してつまらない映画ではないと思うんですがやっぱりだいぶ人を選ぶ作品だなとは思います。映画館で見たら絶対にわからないのでサブスクやレンタルで巻き戻し巻き戻し見るのが苦痛で無い方、考察するために何周でも見られる方は是非見てみてはいかがでしょうか。1→2でも2→1でも良いと思います。