私はヒーラーです、シャーマンです、なんて自己紹介は仕事柄よく聞きます。「ノルウェーの王女が自称シャーマンと結婚!」というニュースが流れたりもしていました。「自称」って悪意があるなあと思いながら、ふと疑問に思ったので調べてみました。そもそもシャーマンってどんな人を指すんですかね…?画像はモンゴルのシャーマン(ボー)です。
【シャーマンの起源と定義】
古くから現在まで、世界各地にシャーマンと呼ばれる祈祷師たちがいます。ツングース語の「šaman」が語源、シャマンまたはシャマーンが正しいらしいです。ということは、シャーマンという名称は黒竜江(アムール川)やバイカル湖付近が由来ですね。ちなみにツングース語族は日本と沖縄の言葉・日琉語族とアイヌ語族にも関連するかも!という言葉です。※インドのサンスクリット語やパーリ語の「沙門」が起源という説もあります。
定義としては「魂が肉体から離れる脱魂」が重要視されているようです。その他「憑依現象」「神霊やスピリットとの対話ができる」など。すべての存在の中に神を見るという視点はアニミズムと共通しています。日本では「鬼道」の卑弥呼や多くの神社で祀られている神功皇后など、現代でも恐山のイタコや沖縄のユタ、アイヌのトゥスクルなどがシャーマンにあたります。では世界各地のシャーマンにはどのような人たちがいるのでしょうか。
【シャーマンの系統】
イヌイットの系統
アンガックク(スピリチュアル・ヒーラーを指す)と呼ばれる。シラップ・イヌア/シラという空・風・天候の神、セドナという海の動物たちの神、豊穣の神アクナなどがいる。イヌアという言葉は「すべての存在が持つスピリット」が人間なら人間、アザラシならアザラシという「属にかつて生きていた・今生きている・これから生きようとするすべての個々の連続性」を表し、生命力とも言える。
シャーマンは「病気を吹き飛ばす、または息を吹き飛ばす」存在とされる。「全世界は生き物で、動物にも魂や精神がある」と考えている。
マヤ文明の系統
キュランデロと呼ばれる。「治療師」という意味で、肉体を癒すだけでなく黒魔術などの影響や心理的な傷にも対応する。彼らは問題の原因を「スピリットの喪失」という一つだと考えている。
ハーブを使う「イェルベロス」、骨と筋肉を治療して体を癒す「ウエセロス」、祈りの力を使う「オラシオニスタ」、呪術師「ブルジョ/ブルハス」などの種類とアヤワスカを使うなら「アヤワスケロス」ペヨーテを使うなら「ペヨテロ」などの分野があり、複数を用いるシャーマンが多い。
恐ろしい経験をしたときに「魂の喪失」を起こすという考えがあり、魂を見つけて交渉し、魂を帰還させたりもする。
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