歴史・文化・科学

バチカンのマスコット・ルーチェが暗示する カトリック退廃と焦り

 ローマ教皇庁が2025年の「聖年」の公式マスコット、ルーチェを発表しました。アニメ風の外観を持つルーチェは、巡礼者の少女をモチーフにしています。巡礼のマストアイテムとも言えるレインコートをまとい、杖を持った目の大きなキャラクターです。

 バチカンはこれまで、厳粛な教義と伝統を重んじてきました。長きに渡って宗教的な権威を象徴してきたバチカンによる「ルーチェ」は驚きをもって迎えられました。好意的な意見もある一方、現代のカトリック教会が抱える複雑なジレンマを感じる人も多いようです。

 日本のアニメは世界中で支持されていますが、消費社会と商業主義を象徴する存在でもあります。バチカンが商業主義的な文化を取り入れることは、本来の目的である「信仰の普及」や「魂の救済」といった崇高な方向性から逸脱しているようにも思えます。「kawaii」ルーチェが世間の注目を浴びることで、信仰を売り込もうとしているようにも見えかねません。

 宗教が時代の移り変わりに対応した新しいアプローチを取り入れるのは決して悪いことではないでしょう。ですが、信仰そのものがマスコットの陰に隠れてしまうとしたら、本来の目的は置き去りにされてしまうのではないでしょうか。

 2025年の大阪・関西万博では、ルーチェがバチカンの「顔」として日本にやってくる予定となっています。消費社会の祭典ともいえる万博に、巡礼者ルーチェがやってくるわけです。宗教と現代文化の間で揺れ動くカトリック教会の象徴は、万博で出会う人々に何を語りかけるのでしょうか。厳格な教義で知られるカトリック教会が、今後どのようにその信仰を維持していくのか。その答えが、ルーチェの大きな目に映るのかもしれません。

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