ネイティブ・アメリカンの文化でスピリチュアルな道を表すメディスン・ホイール。南米のシャーマニズムではメディスン・ホイールという名前が使われることはあまりありませんが、同じような哲学を表す四つの方角と中心という概念があります。ちなみにクスコという名前はへそという意味のケチュア語で、クスコから見たそれぞれの方角に聖地や象徴するパワーアニマルがあり、異なるエネルギーを持っています。
それぞれの方角には次のような意味があります。自分のいる場所がを中心として見ます。人生はまず南の領域から始まり、時計回りに進んで行きます。クスコを中心とする場合はアウサンガテやウアマンリパなどの山、チチカカ湖などの聖地がありますが、自分のいる場所から見た方角で聖なる場所を見つけるように教わりました。
南 サーペント 過去を脱ぎ捨てて変化していくエネルギー
西 ジャガー 自らのシャドウを怖れずに進む、死を超えたエネルギー
北 ハミングバード 霊的な「コーリング」を受ける領域、人生の花を咲かせる
東 コンドル 夢の現実化、偉大なるスピリットと共に歩む旅
まず南の方角は自分を癒すこと、過去の自分がこだわっていたことや自分自身の観念を捨てることから始まります。その領域の学びが終わると、次に西が表す学びが始まります。肉体は死んでも魂は永遠であることを体験するエリアで、自分の中の恐れや醜さに直面する領域です。北に入ると三次元的な日常が一段階進み、スピリットからのコーリングを感じるかもしれません。そして、東の領域ではグレート・スピリットとの共同創造が始まります。
ここで考えたいのは、それぞれの方角のパワーアニマルの視点です。
サーペントは地を這う生き物です。赤ん坊の頃にそうだったように、他者を見上げる視点から物事を見ています。ジャガーは少しそこから高い目線で、周囲を対等な位置から見ることができます。そしてハミングバード、コンドルと進みますが、どんどん視点が高くなっていることがわかります。
コンドルは空のかなり高いところを飛ぶ鳥です。俯瞰で物事を見る、大局的な視点を持つようになったことの象徴だと言えるでしょう。私たちは母なる大地という低い視点から、より父なる太陽に近い視点を持つ人生という旅を送るのだということを表しているのです。
例えば自分にとってネガティブな状況が起こったとき、サーペントは危機を感じ、ジャガーは戦い、ハチドリは逃げ、コンドルはまったく気にしないというように、反応の仕方が変わります。無理やりそうしようとするのではなく、自分のあり方が変わっていくことで自然に感じ方や行動が変わっていくのです。小学生の頃の自分と今の自分では考え方や行動が変わっているように、霊的な道を進みたい人・興味がない人に関わらず、人生はそうできているという哲学でもあります。
ネガティブな状況に対する自分の反応を考えることで、今どの領域にいるかがわかります。それぞれの大まかなテーマは次のようになります。
南 過去の傷を癒す、不要になったものを捨てて新しい自分になる決意をする
西 より深く自らの内側を見つめ、シャドウを乗り越えて魂の不死性を知る
北 霊的な道を歩むかどうかの選択肢を選ぶ
東 個としての自分ではなく世界としての夢を現実化する
メディスン・ホイールは平面的なものではなく、宇宙を表現した広がりのあるものです。スピリチュアルな意味では、立体的に捉えることで「捗ります」ので、ぜひご活用ください!