目が一つで坊主頭。「小僧」の名前の通り、子供の姿をしている。一つ目小僧を育てたのは三面乳母という左右正面に顔を持つ妖怪で、彼女はつきっきりで一つ目小僧の世話をするのだという。一つ目小僧はその目を盗んで人里に出るが、突如現れて人を驚かす以外に危害を加えることはなく、あまり危険性のない妖怪である。
『江戸時代のあるとき、一人の医者が往診に出かけた。日も暮れかけた頃に訪れた先で、使用人に「主人は公用で出かけておりますので、しばらくお待ちくださるようお願いいたします」と言われ、座敷に通された。やがて小僧が煙草盆や茶を運んできた。医者は気が利く小僧だと思い「名前は何というのか」と話しかけると、小僧は恥ずかしがって次の間に逃げて行こうとする。医者が呼び止めると小僧は振り向いたが、その顔には目が一つしかなかった。医者は驚いて腰を抜かしてしまった。』
というような話は江戸時代の創作や地域地域に伝わる伝承などに多く描かれている。
「一つ目」について、柳田邦男はたたら製鉄との関連や元々は山の神だったという説を唱えた。製鉄では真っ赤に焼けた鉄を見続けることで片目を失う者が多く、彼らは鍛冶の神である天目一箇神を信仰していた。この神はひょっとこ(火男)の原形とも言われ、三重県桑名市の多度大社などで祀られている。