鬼のような頭部に蛇のような胴体を持つ鳥の妖怪。両足には剣のような鋭い爪を持つという。鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』に描かれており、『太平記』に登場する怪鳥がモチーフであるとされる。夜になると人の叫び声に似た声で「いつまでも…」と不気味に鳴くと伝えられている。「いつまでん」と記される場合もある。
鳴き声の「いつまで」は「屍をいつまで放置するのか」という意味。当時は疫病が流行し、都の外れには死体が積み重なって放置されていた。報われない死者の魂が弔ってほしいと願ったため現れた妖怪であるとされる。『太平記』では公卿の命をつけた弓の名手・隠岐次郎左衛門広有によって射落とされたが、亡くなった人たちの魂が安らかに眠れたのかどうかが心配だ。