岡山県邑久郡や熊本県南ノ関町大字関下字迎町などに伝承のある妖怪。福島県会津地方では旅の途中で死んだ馬の霊が着に宿ったものと言われる。
馬の首の姿をしており、道端の古い榎の木にぶら下がっている。病死した馬の霊が鳴き声で人を驚かせると言われる。別の地域では姿を目にすると熱病に罹るとされたりなど特性が異なる。また、馬を連れてさがりのいる木の下を通ると人ではなく馬が呪われると言われる。馬の頭から手が生えていたり、人やタコと混ざったような姿をしていることもある。
死ぬまでずっと働かされてきた馬の恨みが形を取ったものとも言われるが、岡山県の伝承では突然いなないて人を驚かせるだけでそれほどの悪意はない。会津では山賊に追われた男が逃げた先の木にたまたまいたさがりが驚いて木から落ちたところ、ちょうど追いかけてきた山賊を直撃して頭を割ったと言う話があり、どことなく飄々とした雰囲気のある妖怪だ。