【ハヌマーン हनुमान् 】
風神ヴァーユと天女アンジャナーの間に生まれたとされる、猿顔で人間の体を持った神。名前は「顎骨を持つ者」、「ハヌ」が顎を表します。空を飛ぶ猿という共通点や時系列から『西遊記』孫悟空のモデルとなったという説も。シヴァ派ではシヴァの化身、ヴィシュヌ派ではヴァーユの化身とされています。
まだ子供だったハヌマーン、果物と間違えて太陽に飛びついたら…。雷の神インドラが顎に雷を一発!顎が折れたハヌマーンは死んでしまいます。父神ヴァーユは動揺のあまり地球から空気を取り除いてしまいました。そこで困ったシヴァや間違えてハヌマーンを死なせてしまったインドラ、アグニ、ヴァルナ、ブラフマーなどの錚々たる神さまたちが会議。ハヌマーンの願いを叶え、叡智と強さ、さらには不死という属性を持って復活。
復活したハヌマーンは太陽神に教えを乞うも「世界を照らすために動き続けないといけないから」という理由で断られます。しかしここでくじけなかったハヌマーンは太陽神について歩くことに。ついにはすべてを学んで認められることとなったのでした。太陽神は固辞したものの、どうしてもお礼をしたかったハヌマーンは動き続ける太陽に向かい体を動かして礼拝。これが現在の太陽礼拝、ヨガの始まりとも言われています。とても勤勉で義理堅い神さまなんですね。
またヒンドゥー教の叙事詩『ラーマーヤナ』ではラーマ王子の妻・シータ捜索で大活躍。聖者サマート・ラムダスなどは権力に対する反抗のシンボルとみなしていました。今でも人気の高い神で、眷属としてハヌマンラングールというオナガザルがヒンドゥー寺院で大切にされていたりします。
属性:
不死 自制心のある人 外見は醜いが内面は神々しく美しい
形を変えられる 強さ 革新的 バクティ(最高神への絶対的帰依)
学識のあるヨギ 困難を取り除く神 病気・痛み・悲しみを取り除くもの
悪魔・悪・負のエネルギーを打倒するもの 彼自身の信者の守護者かつ救世主
マントラ:手足を洗って数回深呼吸して座り、108回以上唱える
Oṁ Śrī Hanumate Namaḥ(オーム・シュリー・ハヌマテ・ナマハ)
「敬愛するハヌマーン神に帰依します」
神殿:
グジャラート州・ハヌマーン寺院サランプール
ウッタル・プラデーシュ州・ハヌマン ガルヒ寺院など