【ガネーシャ गणेश】
破壊と再生を司る神・シヴァと女神パールヴァティーの間に生まれたとされる、象の頭で人間の体を持った神。ガネーシャはガナパティとも呼ばれ「大衆の長・主」を意味します。元々はシヴァ系の神話とは関係なく独立した神で、大衆からは富の神さま、現世利益の神さまとして大人気です。あらゆる障害を取り除く・財運向上、知恵の神などいろいろなご利益があるそうです。
このガネーシャ、シヴァ系の神話に取り入れられたのはいいんですが、生まれ方がかなりぶっ飛んでます。パールヴァティーの身体を洗ったときの汚れを集めて人形を作り、それに命を吹き込んだのがガネーシャ…。つまり垢から生まれたんですね。そういえば、昭和のTV番組『まんが日本昔ばなし』にも垢から生まれた垢太郎という男の子の話がありました。
ガネーシャはパールヴァティーと二人暮らしで、母が入浴するときには見張りをしていたそうです。ところがある日、一人の男がずかずかと入ってきました。母を守ろうと男の前に立ちはだかったところ、男はガネーシャの首を刎ねて遠くに飛ばしてしまいました。湯上がりのパールヴァティーはこれを見てびっくり、「この子はあなたの子供です!」と息子の首を刎ねたシヴァに告げます。シヴァはこれはまずい、と首を探しますが見つからず。仕方なく最初に通りがかった象の首を切り落とし、息子の首として復活させたという…。なかなか乱暴!
ガネーシャの牙は片方が折れていますが、これにはいくつかの説があります。『マハーバーラタ』を記述するときに牙を折って文字を書いたという説。シヴァから与えられた武器で攻撃されたとき、シヴァの武器をよけるのは不敬だということであえて牙で受けたという説。転んだときにお腹のお菓子が飛び出たのを嘲笑した月に向かって投げつけたなんて説もあります。
属性:
障害の支配者であり障害を除去する者 芸術と科学の守護神 始まりの神
文学と学問の守護神 知性と知恵の神 ヒンドゥー教ガナパティ派における至高の存在
自分自身の中のアートマン(魂、最奥部の内なる自己) 群衆の支配者・主
過去、現在、未来のすべての宇宙を内側に持つ ムーラダーラ(第1チャクラ)に宿る
マントラ:
手足を洗って数回深呼吸して座り、108回以上唱える
Oṃ Gaṃ Gaṇapataye Namaḥ(オーム・ガン・ガナパタイェ・ナマハ)
「大衆の主であるガネーシャ神に帰依します」
神殿:
ムンバイのシッディビナヤック寺院
マハラシュトラ州プネーのダグダッシェス・ハルワイ・ガンパッティ寺院など
インド中の神殿で祀られている