日本では多くの方に親しまれている風水。元々は中国で都市計画や家の建設の際に使われた思想のひとつで、陰陽五行説に基づいています。社会的に大きな事象を予言する太乙神数、方位の吉凶を占うほか呪術的要素も持つ奇門遁甲、時刻を元に状況の推移を占う六壬神課の三式と河洛易数、星平会海、宿曜演禽の三典を合わせた6種類は風水六大課と言われます。人間関係に強い六壬神課、家の中を整えるのに強い星平会海などそれぞれ異なった特徴がありますが、どれも習得するのはかなり大変そう…。諸葛亮孔明は映画『レッド・クリフ』でもおなじみの赤壁の戦いで奇門遁甲を使い、その時期には吹かない東南の風を吹かせたと言われています。間取りや色を整えるだけが風水ではないんですね。
大元にあるのは「陰と陽のバランスを整える」「気を上手に利用する」という考え方ですが、「気」を取り入れた生活は簡単に取り入れることができるんです!まずは陰と陽を簡単に分類してみましょう。
陰 : 月 夜 女性 水 北と西 秋と冬 静的 寒さ 暗い 柔らかい
陽 : 太陽 昼 男性 火 南と東 春と夏 動的 暑さ 明るい 固い
陰陽のバランスを上手に取りながら、いい気は積極的に受けて悪い気はできるだけ避けるような暮らしが風水的には吉とされています。具体的にどんなことをすればいいのか例を挙げてみると…。
・朝起きたらすぐ窓を開ける → 陰に傾いた部屋に陽の気を取り入れ、淀んだ気を動かす
・旬の食材を食べる → 陽の季節には陰の食材が出回ることが多いので、自然にバランスがとれる
・ベッドを使う → 悪い気は床面を流れるので、ベッドを使って悪い気を受けないようにする
・ときどき旅行をする → いろいろな土地からいろいろな気を受け取ることができる
・生活にメリハリをつける → 遊ぶときは遊び、しっかり休息を取ることで静と動のバランスを取る
こうして見ると、ごく一般的な生活を送ることが基本になっています。いろいろな野菜や果物がいつでも手に入るようになり便利さは向上したものの、自然の気を取り入れるという観点からは少し外れてしまうんですね。陰陽五行説からはいろいろと興味深い占いや思想が生まれましたが、簡単にできることで運気アップを目指せることもたくさんあるようです。