友達や恋人とケンカをしたときに、「だって約束したじゃない!」「そんな約束をした覚えはない!」なんてやり取りをしたことのある人も多いのではないでしょうか。”言った、言わない”の水掛け論になって、お互いがカッカして終わることも多いですよね。
生まれてから死ぬまで一瞬も休まずに働き続け、内臓を動かしたり夢を見せたりしている私たちの脳。脳科学者・池谷裕二氏によれば、脳が疲れることはなく、そう思っているのは実は目の疲れなんだとか。だから休憩するより、目を休めたり凝った筋肉をほぐしたりする方が建設的だそうです。試験勉強のしすぎで脳が疲れた…っていうのは気のせい、実は目が悲鳴を上げていたんですね。
少し前にテレビでトリックアートがよく紹介されていましたが、目の錯覚も記憶を都合よく解釈する脳の働きの一部です。脳には容量があって何もかもを記憶しておこうとするとパンクしてしまうため、自分にとってそれほど重要ではない情報は削除し、都合の悪い情報は都合のいいように変えてしまうんだとか。目で見たものを記憶として保持できるのはほんの1000分の1秒、音でも数秒なんだそうです。
アメリカ人の認知心理学者、エリザベス・ロフタス博士は虚偽記憶に関する興味深い実験を多々行っています。交通事故に関する記憶の実験では、車が「ぶつかった」と聞かされた一群と「激突した」と聞かされた一群では車のスピードに対しての評価が異なり、その後「激突」群ではビデオには映っていなかった「ガラスが割れた」という記憶を創り出しています。
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