365日 光と闇の暦 4月21日 建国と犠牲 ロムルスとレムス
今日の光の神:ロムルス(ローマ神話・建国の祖)
ロムルス(Romulus)はローマ建国の祖とされる伝説的な王です。軍神マルスとウェスタの巫女レア・シルウィアの息子として双子の弟レムス(Remus)とともに生まれました。簒奪した王位を取り戻されるのを恐れた大叔父アムリウスは二人をテヴェレ川に捨てさせましたが、雌狼が二人に乳を与え、やがて羊飼いのファウストゥルスに拾われて育ちました。成長した兄弟はアムリウスを倒して祖父の王位を回復させました。
今日の闇の神:レムス(ローマ神話・犠牲となった弟)
レムス(Remus)はロムルスの双子の弟で共にアムリウスを倒しましたが、新しい都市をどの丘に建てるかで対立しました。ロムルスはパラティヌスの丘、レムスはアウェンティヌスの丘を主張し、鳥占いで決着をつけることになります。レムスには先に6羽のハゲタカ、ロムルスには遅れて12羽が現れ、どちらが神意を得たかの解釈も対立して決着はつきませんでした。レムスは地面に引いた境界線を嘲って跨いだためにロムルスに殺されました。
光と闇
ロムルスが守ったのは堅固な城壁ではなく、まだ何も建っていない地面の上に引かれた境界線でした。その線を跨いだ弟を殺したということは、境界線は「ここから先は自分が定めた秩序の地だ」と宣言するものだったということでしょう。都市を作ったのは石でも兵でもなく、目に見えない線を実在のものとして扱うロムルスの意志でした。ローマは物質ではなく概念として始まったのです。
この日のテーマ 力を与えるもの
占いでは決着をつけられませんでした。読むべき現象に対して異なる解釈が成り立つ以上、神は沈黙していたと言えるのではないでしょうか。ロムルスの線には神の裏付けがなく、その線に力を与えたのは「超えた者を殺す」という行為そのものです。私たちが「ここから先は譲れない」と引く線も同じだと言えます。その線を超えられたとき、私たちはその相手に対してどんな選択をするのでしょうか。