365日 光と闇の暦 4月23日 竜を退治した聖者 聖ゲオルギウスとドラゴン
今日の光の神:聖ゲオルギウス(キリスト教・殉教者)
聖ゲオルギウス(Georgius、英語名はセント・ジョージ)は3世紀のローマ軍人で、キリスト教の大迫害の際に棄教を拒んで殉教者となりました。イングランドの守護聖人として名高く、竜退治の伝説によって今も広く親しまれています。リビアのシレナという町が竜に怯えて暮らしていたとき、ゲオルギウスは十字を切って竜と対峙しました。白馬に跨って槍で竜を貫く勇壮な姿は、中世美術における定番のモチーフとなっています。
今日の闇の神:ドラゴン(伝説・竜)
ゲオルギウスが退治した竜は沼地に棲み、強烈な毒気を撒いて町を脅かす巨大な怪物でした。町の人々は当初毎日2頭の羊を生贄として差し出していましたが、家畜が尽きるとついに人間の娘を捧げるようになります。王女が生贄に選ばれ花嫁衣装でほとりに立ったとき、ゲオルギウスが姿を現しました。竜は悪魔や異教の象徴と解釈されていますが、竜からすればただそこに棲んでいただけだと言えます。沼地はもともと竜の住処で、人間があとから町を築いたのかもしれません。
光と闇
光の英雄が存在するためには、その光を反射し実体化させるための深い闇が必要です。聖ゲオルギウスと竜の対峙は、二元性の世界における典型的なエネルギーの衝突を表しています。竜と定義されるもの―排除されるべきものは、その時代や土地のパラダイムによって変化します。かつては異教の叡智や魔女が竜側のレッテルを貼られ、光の影に隠されました。「悪」を定義するということは、自分は「正義」側であると宣言する無意識下のプロセスとも言えます。
この日のテーマ 竜とは何か
私たちは日常の摩擦や自己のシャドウを映し出した相手を、排除すべき敵だと考えてしまいがちです。ですが、それは本当に退治されるべきものなのでしょうか。ただそこに存在しているだけのものを、自分というフィルターが「悪」と断罪している可能性はありませんか?自分の正義を証明するために作りだした虚像の敵ではないかどうか—それを考えることで、私たちは英雄と竜という二元論の物語を俯瞰で見ることができるのではないでしょうか。