365日 光と闇の暦 4月27日 人間が神を傷つけるとき ディオメデスとアレス
今日の光の神:ディオメデス(ギリシャ神話・英雄)
ディオメデス(Diomḗdēs)は、トロイア戦争でアキレウスに次ぐ戦士と称えられたアルゴスの王です。知恵の女神アテナ(Ἀθηνᾶ/Athēnâ)に加護されて「神と人間を見分ける力」を授かり、愛と美の女神アフロディーテと軍神アレスを槍で負傷させました。ディオメデスは人間でありながらアテナの導きによって恐怖を克服した英雄です。本来は太刀打ちできない存在であるはずの神々すら退けた彼は、人間が持つ不屈の精神を体現しています。
今日の闇の神:アレス(ギリシャ神話・戦争の神)
アレス(Ἄρης/Árēs)はギリシャ神話の戦争の神で、血なまぐさい戦いを好みます。ディオメデスに傷つけられたアレスは、九千人の兵士が叫ぶような悲鳴を上げてオリュンポスに逃げ帰りました。父ゼウスに訴えましたが、「お前は私が最も嫌う神だ」と言われて慰められませんでした。アレスは神でありながら、しばしば屈辱を受けます。
アレス(Ἄρης/Árēs)は狂乱と破壊を司る戦争の神ですが、粗暴な性格だったため父ゼウスをはじめオリュンポスの神々から忌み嫌われていました。ディオメデスの槍に貫かれたとき、アレスは九千人の兵士が一度に叫ぶような凄まじい悲鳴を上げて天界へと逃げ帰ります。治療を求めて父ゼウスに訴えましたが「移り気で闘争ばかり好むお前は、私にとって最も不快な存在だ」と突き放され、神としての威厳を失う屈辱を味わうことになりました。
光と闇
ディオメデスとアレスの対決は、人間と神の逆転を示しています。普通、人間は神に敵いません。しかしアテナの加護と勇気で不可能に思えたことが可能になりました。アレスは神でしたが、傲慢で嫌われていました。力があっても尊敬されなければ、いつか足元をすくわれます。
ディオメデスとアレスの対決は、運命に支配されるはずの人間が神という絶対的な秩序を打破する逆転した状態を表しています。通常、人間が神に挑むことは死を意味します。しかしアテナの加護と確かな知恵があれば、不可能と思えたことは可能になります。アレスは自らの力を誇示しすぎて嫌われていました。どれほど強大な力を持っていても、傲慢な態度はたやすくその足元を崩れさせてしまうのです。
この日のテーマ 神を傷つける人間
無意識に上司や親などの権威を持った人間を「絶対的な神」のように考えてはいないでしょうか。ディオメデスが軍神の体を貫いたように、どれほど力を持っているように見えてもその人は同じ社会に生きる存在にすぎません。自分を過小評価してほかの誰かを神格化している心のフィルターを外したとき、その人にも一人の人間として弱点や隙があることがわかるはずです。あなたが抱いている「絶対に敵わない」という思いは、本当に客観的な事実でしょうか。それはあなたが無意識に作り上げ、信じ込んでいるだけの虚構かもしれません。