365日 光と闇の暦 5月2日 異界との境界 マナナン・マクリルとクラーケン
今日の光の神:マナナン・マクリル(ケルト神話・海と異界の神)
マナナン・マクリル(Manannán mac Lir)はアイルランドとマン島で信仰された海の神で、マン島の名前の由来とも言われています。霧のマントをまとって白い馬に乗り、波の上を駆けて異界への道を進みました。マナナンの魔法の船は風がなくても進み、豚は食べても次の日には元通り、その杯は嘘をつくと割れたとされます。ケルトの人々にとって海は此岸と彼岸の境界で、番人のマナナンは人間界と妖精界を行き来する者たちの案内人でした。
今日の闇の神:クラーケン(北欧伝承・海の怪物)
クラーケン(Kraken)はノルウェー近海に棲むという海の怪物です。その体は島のような大きさで、船乗りが陸地と間違えて上陸することもあったといいます。巨大な触腕で船を絡め取り、海底へと引きずり込みました。18世紀の博物学者たちはクラーケンが実在するかどうかを議論し、巨大イカやタコの目撃談が伝説の根拠だと考えました。クラーケンは海の計り知れなさの象徴です。どれほど航海術が発達しても、海の深みには人知の及ばない何かが潜んでいるのです。
光と闇
マナナンは海を旅する者に進むべき道を示しますが、クラーケンは海を渡る船ごと人間たちを飲み込みます。海は恵みをもたらしますが、ときに災厄を運んでくることがあります。海に生きる民族は、海を敬い恐れる畏怖の念を同時に持っています。あの世とこの世の境界の番人であるマナナンと人を呑み込む深海の怪物クラーケンが象徴している海との関係を保つためには、どちらの側面も認識しておく必要があるのではないでしょうか。
この日のテーマ 深みに何がいるか
向き合いたくないために見て見ないふりをしているものや触れると傷が疼くような思い出など、できるだけ考えないようにしていることはないでしょうか。あなたという人間の水面は穏やかに見えていても、心の奥には潜ってみないとわからない何かが眠っているかもしれません。何がいるか予測がつかない深みに対して恐怖心を感じるのは当たり前の感情です。しかしそこにはあなたを案内してくれる存在がいるはずです。