365日 光と闇の暦 5月11日 計る者と騙す者 マアトとイクトミ
今日の光の神:マアト(エジプト神話・真実と秩序の女神)
マアト(エジプト語: 𓌴𓐙𓂣𓏏𓁐 / Maʿat)は古代エジプトでは神ですら従う必要がある世界の大元となる概念でした。女神マアトは真実、正義、宇宙の秩序を象徴し、頭にはダチョウの羽根を挿しています。この羽根は死者が冥界で審判を受けるときに心臓と天秤にかけられ、心臓が羽根より重い場合は罪の証として怪物アメミットに食べられるとされました。ファラオは「マアトを行う者」として真実に基づいた行いをする必要がありました。
今日の闇の神:イクトミ(ラコタ神話・蜘蛛のトリックスター)
イクトミ(Iktomi)はラコタ族の神話に登場する蜘蛛の姿をしたトリックスターです。もともとは知恵の神でしたが、傲慢になりすぎたため創造主によって蜘蛛の姿に変えられたとされます。イクトミは人を騙して笑いものにしますが、自分自身も罠にかかって恥をかくこともありました。道徳的な教訓を示した彼の物語は、狡猾さを戒めるために語り継がれています。ドリームキャッチャーの網はイクトミの蜘蛛の巣に由来するという説もあります。
光と闇
マアトは宇宙の秩序そのものを表した存在ですが、イクトミはトリックスターとして作られた秩序を攪乱しようとします。ですが、イクトミが張り巡らせる罠も最終的には秩序の一部だということができます。イクトミが決まりの悪い結末を迎えることで、人を陥れようとしたらその報いがあるという教訓が生まれるからです。秩序と混乱は対立しているようで、実際には補完関係にあるものかもしれません。
この日のテーマ 心臓と羽根
エジプトの死者の審判では、心臓の重さはそのまま罪の重さだと考えられていました。嘘をついたり罪悪感を持つようなことをすると心臓は重くなるのかもしれません。あなたは寝る前にその日に起きたことを思い返して、重たい気持ちになることがあるでしょうか。利己的なふるまいをしたこと、ばれていないけれど小さな嘘をついたことなど、あなたの心臓を重くするものは、誰にも見えていないとしても自分自身はわかっているのです。