ホロスコープ

西洋占星術入門(5) アスペクトの基礎 天体同士の会話を読む

西洋占星術入門(1) ホロスコープの全体像
西洋占星術入門(2) 10天体を知る
西洋占星術入門(3) 月星座とアセンダント
西洋占星術入門(4) 12ハウス 人生における12のステージ

 西洋占星術入門(4)は12ハウスについて―星座は天体のキャラクターで、どんなステージかを決めるのがハウスだという内容でした。今回はアスペクトと呼ばれる天体同士の角度について見ていきます。アスペクトはホロスコープに「ドラマ」を生む要素です。ひとつの天体が独立しているだけなら、その人のチャートはただの静止画でそれ以上の情報はありません。天体同士がどんな角度で向き合い、どんな会話をしているかを読むことで、チャートが動き出すのです。

アスペクトとは

 ホロスコープは360度の円で表されます。二つの天体が作る角度が特定の値に近いとき、その二つの天体の間に「アスペクトがある」と言います。例えば太陽が牡羊座10度、月が獅子座12度にあれば、その差は約122度。トラインと呼ばれる120度に近いので、「太陽と月がトラインを形成している」と読みます。

 現在の占星術で主に使われている基本的なアスペクトは5種類あります。2世紀の天文学者プトレマイオスによって定義されたため、「プトレマイオス・アスペクト」とも呼ばれます。

コンジャンクション(合) 0度

 二つの天体が同じ位置にある、またはごく近い位置にある場合を指します。コンジャンクションは「融合」を表し、二つの天体のエネルギーが一体化して切り離せない状態を示します。太陽と月のコンジャンクション、つまり新月のタイミングで生まれた人は意志と感情が一致しやすい傾向があり、太陽と冥王星がコンジャンクションなら、意志に強烈な変容のエネルギーが乗ることになります。

 コンジャンクションは良い悪いではなく「強い」アスペクトです。関わる天体の組み合わせによって心地よく感じられることも、息苦しく感じられることもあります。

オポジション(衝) 180度

 二つの天体がホロスコープ上で真向かいに位置する状態です。オポジションは「対峙」で、二つの天体が向き合って引き合います。太陽と月のオポジションである満月のタイミングで生まれた人は意志と感情が対立しやすいと読めます。しかしその緊張の中で、どちらもバランスよく使えるよう学んでいきます。

 オポジションは「ハード(困難な)アスペクト」に分類されますが、問題があるというより「向き合わなければならないものがある」と考えていただいた方が近いでしょう。180度の相手は無視できませんが、だからこそ成長があります。前回見たハウスの軸を思い出してください。1-7軸、2-8軸のように、対面のハウスが同じテーマを裏表で扱っていたのと同じ形になっています。

トライン(三分) 120度

 二つの天体が120度離れた状態で、同じエレメント(火と火、地と地など)の星座同士で成立することが多いアスペクトです。トラインは「流れるような調和」を表します。二つの天体のエネルギーが自然にサポートし合い、努力しなくても力を発揮しやすい角度です。金星と木星のトラインなら愛情に恵まれやすく、水星と天王星のトラインなら独創的な発想が次々と湧いてきます。

 ただし、楽すぎるのがトラインの落とし穴になることも。苦労しないぶん才能を磨く動機が薄くなり、「持っているのに使い切れない」状態が生まれる可能性が出てくるのです。せっかくの才能は意識して使わないともったいないですよね。天から渡されたカードは、手に持っているだけでは表現したことにはなりません。

スクエア(矩) 90度

 二つの天体が90度離れた状態です。同じクオリティ(活動宮同士、固定宮同士、柔軟宮同士)の星座で成立しやすいアスペクトです。スクエアは「摩擦」、二つの天体が互いに邪魔をするような角度で、内的な緊張や葛藤が生まれます。太陽と土星のスクエアなら、太陽が示すやりたいことに対して土星のブレーキがかかりやすいと読めます。月と火星のスクエアなら、感情(月)と行動(火星)が噛み合わず、衝動的な面が出てきます。

 スクエアは占星術で特に「きつい」アスペクトとされますが、それと同時にとても「駆動力がある」アスペクトでもあります。葛藤があるからこそ人は動き、壁があるからこそ乗り越えようとします。歴史に名を残した人物のチャートには、たいていスクエアがあります。

セクスタイル(六分) 60度

 二つの天体が60度の角度で離れた状態です。相性の良いエレメント(火と風、地と水)の星座で成立しやすいアスペクトです。セクスタイルは「機会」を表し、トラインほど強い流れではありませんが、少しの努力で二つの天体のエネルギーを引き出せます。「開いたドアではあるけれど、自分で歩かなければ入れない」というイメージでしょうか。セクスタイルの力を使うには、意識してアクションを起こすことが大事です。

オーブ(許容度)

 アスペクトは「ぴったり120度」でなくても成立します。ぴったりの角度からどれだけずれているかを「オーブ」と呼び、一定の幅が認められています。

 一般的な目安は、コンジャンクションとオポジションは±8〜10度、トラインとスクエアは±6〜8度、セクスタイルは±4〜6度となっています。太陽と月が関わるアスペクトは広めのオーブを取り、外惑星同士のアスペクトは狭めに取る占星術師が多いようです。

 オーブが小さい=角度がぴったりに近いほどアスペクトの影響は強くなります。ぴったり0度の差を「イグザクト」と呼び、これは特に強力です。自分のチャートでイグザクトに近いアスペクトがある場合、その領域は人生に深く影響を及ぼすテーマだと考えてよいでしょう。

ソフトアスペクトとハードアスペクト

 トラインとセクスタイルは「ソフトアスペクト(イージーアスペクト)」、スクエアとオポジションは「ハードアスペクト」と呼ばれ、コンジャンクションは関わる天体次第でどちらにもなり得ます。ソフトだから良い、ハードだから悪いということはありません。ソフトアスペクトは才能や恵みを表しますが、簡単すぎて逆に地道な努力ができない場合があります。ハードアスペクトは苦労を伴いますが成長の種があり、人生のテーマでもある可能性があります。

 チャートにハードアスペクトが多い人は「きつい人生」と感じることがあるかもしれませんが、それは「エンジンの出力が高い人生」とも言い換えられます。大事なのはそのエンジンをどう使うかです。

チャートでアスペクトを見つける方法

 astro.comでチャートを出すと、円の中央に天体同士を結ぶ線が引かれています。赤い線はハードアスペクト(スクエア、オポジション)、青い線はソフトアスペクト(トライン、セクスタイル)です。太い線ほどオーブが小さく誤差が少ないので影響は強くなります。チャートの下にはアスペクト表(グリッド)が表示されます。縦と横に天体が並び、交差するマスに記号が入っているのがアスペクトです。最初のうちはアスペクト記号が読みにくいかもしれませんが、慣れると一目でチャートの全体像が掴めるようになります。

 まずは自分の太陽、月、アセンダントにどんなアスペクトがあるかを見てみてください。太陽にスクエアが多ければ、人生で繰り返し壁になるであろうテーマがわかります。月にトラインが多ければ、感情面で自然に恵まれているポイントがわかります。

 次回はさらに詳細を読むための「マイナーアスペクト」の世界に入っていきます。17世紀にケプラーが導入した「隠れた角度」は、チャートに新しい次元を加えてくれます。

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