シナストリー

西洋占星術入門(8) シナストリー入門 二人のチャートから相性を読む

西洋占星術入門(1) ホロスコープの全体像
西洋占星術入門(2) 10天体を知る
西洋占星術入門(3) 月星座とアセンダント
西洋占星術入門(4) 12ハウス 人生における12のステージ
西洋占星術入門(5) アスペクトの基礎 天体同士の会話を読む
西洋占星術入門(6) マイナーアスペクト 宇宙の幾何学模様に隠された角度
西洋占星術入門(7) トランジット入門 空がチャートに触れるとき

 好きな人との相性を知りたい—これは占い師がよく受ける質問の一つです。西洋占星術で相性を見る手法はいくつかありますが、基本となるのがシナストリーです。二人のネイタルチャートを重ねて、一方の天体がもう一方の天体に作っているアスペクトを読むものです。

シナストリーについて

 シナストリーでは「Aさんの天体がBさんの天体に対してどの角度にあるか」を見ます。例えばAさんの金星がBさんの火星とトラインになっている場合、金星の作用によってAさんはBさんに惹かれやすく、火星が示すBさんの行動力は金星が示すAさんの価値観と調和するというように読みます。

 ここで大切なのは「一つのアスペクトだけで判断しない」ことです。良いアスペクトが一つあっても、難しいアスペクトがいくつもあるなら全体としては苦労する関係かもしれません。逆に、ハードアスペクトが多くてもそれが強い引力になり、離れがたいような関係になることもあります。相性に「完璧」はありません。

見るべき天体の組み合わせ

 シナストリーで特に重要なのは、以下の天体の関係です。

月と月 感情が共鳴するかどうか

 二人の月と月のアスペクトは、一緒にいるときの「居心地」を表します。月がトラインやセクスタイルなら、言葉はなくても一緒にいて楽でしょう。スクエアやオポジションだと「わかってもらえない」と感じることが多いかもしれません。コンジャンクションなら感情のリズムがよく似ているので、良くも悪くも同じような感情を持ちやすいと言えます。

 結婚や同棲などの長期的な関係では、月の相性はとても効いたものになります。ときめきは金星と火星の領域、日常を共に過ごせるかどうかは月の領域です。

金星と火星 惹かれ合う力

 恋愛における化学反応を見る組み合わせです。Aさんの金星とBさんの火星がアスペクトを作っていれば、Aさんの美的感覚(金星)にBさんの行動力(火星)が刺激される組み合わせです。コンジャンクションやオポジションは特に引力が強く、理屈抜きで惹かれ合います。

 金星と火星のハードアスペクト(スクエア、オポジション)は、衝突もあるけれど退屈しない関係です。ソフトアスペクト(トライン、セクスタイル)は穏やかな愛情を感じられる相性ですが、刺激が足りないと思うかもしれません。

太陽と月 意志と感情

 Aさんの太陽とBさんの月のアスペクトは、古典的に「男女の相性」を見る組み合わせとされてきました(現代では性別を問わず読みます)。太陽側が「導く」役割、月側が「受け止める」役割を自然にとりやすい。コンジャンクションは非常に親和性が高く、「この人といると自分らしくいられる」感覚を生みます。

土星のアスペクト — 関係の持続力と重さ

 シナストリーで土星は「問題の天体」と見られがちですが、実は長期的な関係を考えるなら土星の接点は必須です。土星は「責任」「持続」「構造」を表す天体なので、土星のアスペクトがない関係は楽しくても長続きしにくい傾向があります。

 ただし、一方の土星がもう一方の個人天体(太陽、月、金星など)にスクエアやオポジションとなっていると、土星側が相手を「制限する」「批判する」ことが多くなりやすく、そうされた側は窮屈さを感じます。土星が建設的な方向で使われればお互いが成長できるような関係性になりますが、支配的な方向に出ると息苦しい関係になります。

ハウスオーバーレイ 相手のどの「部屋」に入るか

 アスペクト以外では「ハウスオーバーレイ」という読み方があります。この方法では、Aさんの天体がBさんのチャートのどのハウスに入っているかを見ます。Aさんの太陽がBさんの7ハウス(パートナーシップ)にいるなら、BさんはAさんをパートナーとして意識しやすいことになります。Aさんの金星がBさんの5ハウス(恋愛)にいれば、BさんはAさんに対してロマンティックな感情を抱きやすいでしょう。

 アスペクトが「天体同士の会話の質」を見るとしたら、ハウスオーバーレイは「相手が自分の人生のどの領域に関わるか」を見ると言えます。この両方を合わせて読むと、関係性が立体的に見えてきます。

シナストリーの調べ方

 astro.comでシナストリーを見る方法です。

1. 二人分の出生データを登録する 
2. 「ホロスコープ各種作成」→「パートナーのチャート」  
3. チャートタイプから「シナストリー二重円」を選択

 これで二つのチャートが重なった図が表示されます。内側が一人目、外側が二人目。二人の天体同士を結ぶ線がアスペクトです。

シナストリーを読むときの心構え

 シナストリーで相性が悪いと落ち込む方もいますが、ハードアスペクトが多い相性が必ずしも「悪い」相性とは限りません。むしろ、ハードアスペクトが多いことが深い結びつきと成長を意味することは珍しくありません。

 占星術は二人の関係の取扱説明書のようなものです。ある領域ではスムースに進むけれど、この領域では意識して努力する必要があるとわかれば、すれ違いの原因を相手のせいにしなくてすみます。

 そして何より大切なのは、チャートがどんな結果だったとしても最終的に関係を作るのは二人の気持ちだということです。相性が最高にいいチャートでも努力しなければうまくいきませんし、難しい相性だったとしても真摯に向き合えば深い関係を築けるのです。

 次回はプログレス(進行)、内面の成長時計を読む方法を見ていきます。

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