ヴリトラ

365日 光と闇の暦 6月2日 雨を呼ぶ者、旱魃をもたらす者 パルジャニヤとヴリトラ

今日の光の神:パルジャニヤ(ヴェーダ神話・雨神)

 パルジャニヤ(サンスクリット:पर्जन्य / Parjanya)は古代インドのヴェーダに登場する雨の神です。リグ・ヴェーダでは雷雲を自由自在に操り、天から豊かな雨を降らせて大地を潤す恵みの神として讃えられています。その雨は「牛のように乳を注ぐ」と詠われ、その恵みなしには作物は育たず、人も獣も生きられないとされました。後のヒンドゥー教ではインドラに吸収されましたが、ヴェーダの時代には独立した重要な神でした。

今日の闇の神:ヴリトラ(ヴェーダ神話・旱魃の竜)

 ヴリトラ(サンスクリット: वृत्र / Vṛtra「覆う者」)はヴェーダ神話に登場する巨大な蛇または竜です。天の水を堰き止め、大地に旱魃をもたらす存在として恐れられました。リグ・ヴェーダではインドラとの壮絶な戦いが繰り返し語られています。インドラは雷霆ヴァジュラでヴリトラを打ち倒し、堰き止められていた七つの河を解放しました。ヴリトラは単なる悪ではなく、自然の厳しさの象徴です。

光と闇

 雨を降らせるパルジャニヤと天の水を堰き止めるヴリトラの対立は、インドの季節そのものを表現したものです。モンスーンが来れば大地は水を含んで生き生きとしますが、モンスーンが終われば土は干上がっていきます。古代インドの人々にとって、雨季の始まりはヴリトラが倒されパルジャニヤが力を取り戻す瞬間でした。豊穣の時期と枯れる時期は固定されたものではなく、常に循環を繰り返しています。

この日のテーマ 渇きを知る

 喉が渇いたことのない人に水のありがたさは伝わりません。私たちはさまざまなものをあって当たり前だと無意識に思いながら日々を過ごしています。水も、平和も、健康や誰かの存在も、失うまでその価値に気づかないかもしれません。今、あなたが当然のように手にしているものは何でしょうか。もしそれが突然なくなったら、あなたはどれだけの渇きを感じるのでしょう。そしてその渇きは、あなたに何を教えているのでしょうか。

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