365日 光と闇の暦 7月5日 旅の始まり ヘルメスとカーカス
今日の光の神:ヘルメス(ギリシャ神話・旅人と商人の守護神)
ギリシャ神話に登場するヘルメス(古代ギリシャ語 / Ἑρμῆς)は天界や冥界などあらゆる場所を自在に行き来する神で、旅人から商人など全ての移動する者を守護します。ヘルメスは翼のついたサンダルで飛び回り、道端に置かれたヘルマという石柱で旅人に方向を示しています。生まれたその日にアポロンの牛を盗んだトリックスターとして有名ですが本質は移動するという点にあり、どこかに留まった瞬間にヘルメスはヘルメスではなくなります。
今日の闇の神:カークス(ローマ神話・火を吐く巨人)
カークス(ラテン語 / Cacus)はローマ神話に登場する火を吐く巨人で、アヴェンティヌス丘の洞窟に棲んでいました。ヘラクレスがゲリュオンの牛を連れて通りかかったとき、足跡を辿られないよう牛の尻尾をつかんで洞窟まで後ろ向きに引きずり込みます。結果的に牛が鳴いて洞窟の外にいた群れが応えたためにばれ、ヘラクレスに棍棒で打ち殺されました。カークスは旅の途中で出くわす可能性のある予期せぬ危険を象徴する存在です。
光と闇
ヘルメスは一つの場所に留まることなく、常にあらゆる世界を移動しています。一方のカークスは道の途中にある洞窟で暮らしながら、通りかかる旅人たちを襲っていました。ヘルメスが守護する旅人たちは目的地に向かって進んでいるだけで、カークスのような不条理な危機に出くわす可能性があります。それでも旅を続けるには踏み込んでいくしかありません。道の先に向かうことは、危険が住む場所に足を踏み入れることだったのです。
この日のテーマ 移動と侵犯
誰かと深く関わろうとすれば、その人個人の領域に踏み込むことになります。誰かを知りたいと思ったり近づこうとする行為そのものが、相手の内側に入っていくことを意味します。逆に相手を傷つけたくないからと距離を取ろうとするのは、関わらないことで相手の領域を侵犯しないという選択になるため関わること自体を諦めるしかなくなります。他者の領域に踏み込まないようにしようとするとき、人はどうやって相手と繋がれるのでしょうか。