365日 光と闇の暦 7月8日 聖なる牛と暴れ牛 ハトホルとミノタウロス
今日の光の神:ハトホル(エジプト神話・愛と豊穣の牛女神)
ハトホル(エジプト語: 𓉡 / Ḥwt-Ḥrw / ハトホル)は古代エジプトにおける愛と音楽と豊穣の女神で、「ホルスの館」という意味を持ちます。牛の耳と角、太陽円盤がハトホルの特徴です。彼女を祀るデンデラの神殿は黄道十二宮を描いた天井で知られ、巫女たちがシストラムを鳴らし人々は酒を飲んで踊るのが儀式でした。またハトホルは「西方の女主人」として、死者を冥界の入口でやさしく迎える女神でもありました。
今日の闇の神:ミノタウロス(ギリシャ神話・迷宮の怪物)
ギリシャ神話に登場するミノタウロス(古代ギリシャ語: Μῑνώταυρος / ミーノータウロス)は「ミノスの牡牛」という意味で、牛の頭を持つ怪物です。クレタ王ミノスが供物を惜しんだ罰として妃パシパエが白い牡牛への恋心を吹き込まれ、その結果生まれた子供でした。ミノタウロスは名工ダイダロスの造った迷宮の奥深くに閉じ込められ、光も差さない場所で送り込まれてくる若者たちを食らうことだけが生きる術でした。
光と闇
ハトホルの光が人間を喜びで満たす一方、ミノタウロスは自らの住処である迷宮に足を踏み入れた若者たちを食らいます。同じ牛で表される神の力が、開かれた神殿では人を生かし、迷宮の底では荒々しい暴力となっています。光の差す広がりのある空間は音楽や愛が表現される余地がありますが、閉ざされた闇の中では身の置き場がありません。ミノタウロスを怪物にしたのは生まれ持った凶暴さではなく、彼を閉じ込めた石壁の狭さでした。
この日のテーマ 力の行き先
人とつながり、心が外へ開かれているとき、私たちの中の力は、誰かを思いやる優しさや、何かを生み出す喜びになって現れます。けれど孤立し、逃げ場を失って心が閉ざされると、同じ力が、近しい人を傷つける刃に変わってしまいます。人を動かす力は、それだけでは愛なのか暴力になるのか決まっていません。それは、その人が今開かれているか閉じ込められているかによって変わるのかもしれません。私たちが荒れているとき、私たちは何に追い詰められているのでしょうか。