ア・ムゼン・カブ

365日 光と闇の暦 8月3日 蜂蜜の恵み アリスタイオスとア・ムゼン・カブ

Unknown Mayan artist, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で

今日の光の神:アリスタイオス(ギリシャ神話・養蜂の神)

 アリスタイオス(ギリシャ語: Ἀρισταῖος / Aristaîos)はギリシャの養蜂と牧畜を司る神です。アポロンとニンフの息子で、賢者ケイロンに育てられました。彼に言い寄られたエウリュディケは逃げる途中で毒蛇に咬まれ命を落とします。オルペウスの妻だった彼女の死への償いとして、アリスタイオスの蜂はすべて死にました。神託に従って雄牛を捧げると新しい蜂の群れが湧き出し、また蜂の主に戻ったとされています。

今日の闇の神:ア・ムゼン・カブ(マヤ神話・蜂の神)

 ア・ムゼン・カブ(ユカテク・マヤ語: Ah Muzen Cab)はマヤに伝わる養蜂と蜂蜜の神です。逆さまになって天から降りてくる姿が象徴となっており、トゥルムの遺跡には「降りてくる神」の神殿が残っています。彼が守護するのは針のないマヤ固有の蜂で、その蜜は神々に捧げる発酵飲料バルチェの原料となりました。ユカタンの養蜂家は蜜をとる前に神の許可を求め、蜂を死なせてしまったときは葉っぱに包んで葬ったといいます。

光と闇

 ギリシャで養蜂を司っていた神は一人の女性の死を償うために蜂をすべて失い、犠牲を捧げることで取り戻しました。一方マヤの養蜂家は、蜜を採るために前もって神への供物を差し出しました。海を隔てた二つの文明が、甘い蜜という恵みを得るために犠牲を捧げていたことになります。蜂の巣から蜜を採取することは、蜂たちの働きを横取りするということでもあります。ギリシャもマヤも、その後ろめたさを受け入れていました。

この日のテーマ 敬意と恵み

 心を込めて渡したものをあたりまえのような顔で受け取られたとき、私たちはどこか不条理な気持ちになります。逆に、ささやかなプレゼントでも、心から喜んでもらえたと感じたら気持ちが通じたと思って嬉しくなるでしょう。気持ちは目には見えないのに、相手とのやり取りによって私たちにはまったく違う感情が生まれます。物理的に存在しなくても、心の中にだけあるわけでもない気持ちは、どこから生まれるのでしょうか。

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