365日 光と闇の暦 8月4日 橋を架ける者 ビフレストとスルト
今日の光の神:ビフレスト(北欧神話・虹の橋)
ビフレスト(古ノルド語:Bifröst)は北欧神話に登場する虹の橋で「揺れる道」という意味です。13世紀にアイスランドで編纂された『エッダ』では、神々の国アースガルズと人間の世界ミッズガルズを繋ぐビフレストは三色の虹で、赤い部分はは巨人を焼くための炎とされています。ヘイムダルという門番がいて、神々は毎日馬で橋を渡って世界樹へと通いますが、雷神トールだけは炎を避けて川を歩いて渡ると詠われました。
今日の闇の神:スルト(北欧神話・炎の巨人)
「黒い者」という意味の名前を持つスルト(古ノルド語:Surtr)は、北欧神話に登場する炎の巨人です。『エッダ』に描かれた世界では、天地が造られる以前に炎の国ムスペルヘイムがあり、スルトは燃える剣を持って南の国境を守っていました。終末ラグナロクの日には、太陽よりも眩しく輝く剣を手にムスペルの軍勢を率いて出陣し、豊穣の神フレイを討ち取って世界の全てを焼き尽くすとされています。
光と闇
神の国と人間世界を繋ぐビフレストの赤い炎は、招かれざるものを遠ざけるために燃えています。一方炎の巨人であるスルトの剣は、世界を拒絶するための炎です。ラグナロクでスルトが軍勢の先頭に立って剣を掲げたとき、ビフレストの炎は巨人たちを止められず、彼らが渡り終えるとその重みで崩落しました。北欧の人々は雨上がりの虹を見上げながら、それがいつか崩れる日の来ることを思っていました。
この日のテーマ 外部との繋がりという双方向性
橋は他者と繋がるために架けられますが、開通させれば外部からの侵入経路が一つ生まれます。スルトはビフレストを渡って天界に攻め込みましたが、私たちも安全のために世界を閉ざし続けることは不可能です。外部と繋がることで恩恵と脅威のどちらにもさらされることになり、都合よく恩恵だけを受けることはできないのです。便利さを求めて何かと繋がるとき、私たちはどんな可能性を引き受けているのでしょうか。