365日 光と闇の暦 8月7日 立秋 西王母と蚩尤
今日の光の神:西王母(中国神話・崑崙の女神)
西王母(中国語: 西王母/Xīwángmǔ/シーワンムー)は崑崙山に住むという女神です。『山海経』では虎の牙と豹の尻尾があって髪を振り乱して吼えると描写されています。時代を経た『穆天子伝』では西方に旅した周の穆王を瑤池の畔でもてなし、歌を交わして再会を約束した優美な女神として描かれています。三千年に一度だけ実る不死の桃を守り、桃が実る年には神仙を集めて蟠桃会を開くという伝承があります。
今日の闇の神:蚩尤(中国神話・戦いの神)
蚩尤(中国語: 蚩尤/Chīyóu/チーヨウ)は戦争と金属を司る神で、銅の頭に鉄の額、四つ目で六本の腕を持つといいます。涿鹿の野で黄帝と戦ったときには濃い霧を起こして目を眩ませましたが、黄帝が南を示し続ける指南車を作って方角がわかるようにした結果つかまって処刑されました。それでも武神としての信頼は厚く、漢の高祖となった劉邦が蚩尤を祀っていたほか各地で祀られ続けました。
光と闇
西王母は西方の金の気を司るとされ、道教では金母と呼ばれています。蚩尤は同じ金の気を武具として使うことで戦場を支配しました。西王母の桃は口にした者の寿命を延ばす金ですが、蚩尤の金は一瞬で命を刈り取る金です。道教の伝承では、蚩尤に苦しめられている黄帝の元へ西王母が九天玄女を遣わして兵法を授けたとされます。人間は西王母と蚩尤をどちらも手厚く祀り、正反対の願いを祈ってきました。
この日のテーマ 実りと衰退の同時性
立秋を境に日光は弱まって日は短くなっていきますが、稲穂が金色の頭を垂れるのは太陽が弱まる秋になってからです。成熟した桃は甘い香りを放ちますが、それは傷み始めたことを同時に意味しています。蚩尤の武器は勢いですが、西王母の桃は太陽に晒され続けたら神仙たちの口に入ることなく実を落とすことになるでしょう。私たち人間はいつ成熟していつ人生の秋を迎えるのでしょうか。