マナナン・マクリル像

365日 光と闇の暦 10月5日 夢の航海 マナナン・マク・リルとフォモール族

今日の光の神:マナナン・マク・リル(ケルト神話・海の神)

 マナナン・マク・リル(古アイルランド語: Manannán mac Lir)は海の神で、馬エンバルに乗って波の上を陸と同じように駆けたとされます。航海者ブランが海の上で出会ったとき、マナナンは海上を戦車でやってきて「あなたには海に見えても、私には花の咲く野原だ」と言いました。姿を消せる霧のマント、櫂や帆がいらない舟が彼の特徴です。ルーを養子として育て、海の向こうの常春の楽園ティル・ナ・ノーグへの渡し人でもあります。

今日の闇の神:フォモール族(ケルト神話・混沌の民)

 フォモール族(古アイルランド語: Fomoire)は海の向こうから来た一族で、トーリー島に砦を構えました。フォモールの父を持つブレスはダーナ神族の王になしましたが、重い貢納と労役を課して失脚しています。片目で敵を焼き払えた王のバロールは孫に殺されるという予言を恐れて娘を塔に閉じ込めましたが、娘は海を渡ってきた男との間にルーという男児を儲けます。ルーはマグ・トゥレドの戦いでバロールの目を射抜きました。

光と闇

 マナナンにとって海は道でした。馬に乗って波の上を駆け、向こう岸の常若の国に人々を送り届けては戻ってきました。しかしフォモール族にとっての海は、渡った先の岸を奪うために越えてくるものでした。渡ってきた彼らは神々にまで傍若無人に貢ぎ物を要求したことで戦いとなり、決戦に敗れて海の向こうへと追い返されました。マナナンの海は行き来する道ですが、フォモールにとっては攻め込むために乗り越える波でした。

この日のテーマ 境目の向き

 港を出た船から見たとき、出航からしばらくすると出てきた岸のほうが向こう岸になります。私たちは人が亡くなったときに「向こうへ行った」と言いますが、亡くなった人からすれば私たちのいる場所が「向こう」だと言えるでしょう。「向こう」という場所は地図のどこにもなく、いつも自分の立っている側の反対側にだけ存在します。だとすれば、渡る前に「向こう」だと思っていた場所は、渡り着いた先のどこにあるのでしょうか。

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