夏といえば怪談番組というのは日本の定番だが、世界には多くのミステリー・スポットや怪談が存在する。芸能人の夏休みと年末年始、光輝く太陽、カラフルな花々など明るいイメージがあるハワイだが、歴史を紐解けば多くの血が流れた場所でもある。ハワイ統一の際には、マウイ島を陥落させたカメハメハ大王は、マウイ・オアフを治めていた首長カラニクプレを追ってオアフ島に攻め込んだ。そしてホノルルから車で山側に15分程度のヌウアヌ・パリ渓谷がハワイ統一の決戦の場となった。
ハワイ語でヌウアヌは「涼しい」、パリは「崖」。涼しい崖という意味の高台は、強風が吹き荒れる場所としても知られる。地元の人たちに聞いても「ヌウアヌ・パリには日が落ちてからは通りたくない」「時間に余裕がないならわざわざ観光に行くほどではないのでは」と言われるような場所で、写真を見ても怖くなるような絶壁に展望台がある。
【発見された800体もの白骨】
オアフに上陸したカメハメハ軍は、現在のホノルル美術館北側の山にあるパンチボウルという場所にあるカネラアウ・ヘイアウ(神に祈りを捧げる場所、このヘイアウでは罪人や敵を使った人身御供も行われていた)付近で衝突、敗色濃厚となったオアフ軍はヌウアヌ・パリ展望台付近に追い詰められた。多くの兵士が300メートルの絶壁から落ちて亡くなったと言われ、崖側の道を舗装したときに展望台の崖の下から800体の白骨が見つかった。今でも事故などの捜索で戦士たちの白骨が見つかることがあり、相当数の人間がここで命を落としたことがわかっている。
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