心霊・怪談

白い服の少女 前編

白い服の少女

 数年前、夢を見ました。本人にはかなり怖い夢でした。

 夜中に会社から家まで歩いて帰ろうとしていました。歩いていると大きな上り坂にさしかかり、そこを上がっていきます。坂の途中には大きな病院がありました。薄暗く、蔦が巻き付いていて、かなり古い作りの病院でした。ふと見上げると、白いワンピースを着た女の子が。小学校低学年くらいの、色の白い髪の長い女の子。その女の子と目が合いました。しきりに何かをつぶやいています。聞こえる距離では無いんですが「助けて」って。ずっと言っているのがわかりました。

 ぼくは病院に忍び込み、その女の子の病室まで行きました。病室のドアを開けると、女の子は満面の笑みで走り寄ってきました。院長に実験されていると話す女の子。何の実験かは教えてくれませんが、このままだと殺されてしまうと言います。それじゃ助けないとと思って、静かに、でも急ぎながら病院を二人で抜け出しました。

 病院を出ようとしたその時、院長がものすごい顔で追いかけて来ました。僕は女の子を抱え上げ、必死に坂を上ります。後ろを振り返るとその院長は何やら呪文の様な物を呟いていて、明らかに人間の顔ではありません。これはやばいと走り出した矢先、足の裏に激痛が走りました。靴を脱いで足の裏を見ると、靴下に「呪」の文字の形で血が滲んでいます。と、同時に女の子は気が狂ったように叫び始めました。

 え?と思った瞬間に僕の体中に「呪」の文字が浮かび上がり、その「呪」は血しぶきをあげ体中を切り刻まれて…最後に目に入ったのは悲しげにこちらを見ながら院長に抱えられている女の子でした…。

 イヤな夢を見た。それだけで終わるはずでした。

 その頃の僕は、とある会社に勤めていました。自宅までは歩けない距離ではないので、ダイエットのために週2,3回は歩いて帰っていました。深夜2時に会社を出て、家に着くのは4時か5時。職務質問もされるし、若い子が公衆電話を破壊して小銭を漁ってたりするような時間でしたが…。車通りが少なくて、道の真ん中を大手を振って歩けるので、その時間帯に歩くのが大好きでした。まったく地理もわかっていないのでなんとなくで歩いてたんです。方向さえ合っていれば何とかなるだろうという安易な考えで…。

 ある日、いつものように歩いて自宅へ戻っている途中でした。やっぱりその日も知らない道に迷い込んでしまいました。いつもと違うのは、なぜか足が重くて…疲れてるのかなって。

 が、しかし。足が重いのは疲れのせいではなかったみたいです。

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