二回目に女の子を見たのも夢の中でした。なぜか僕は夢の中で捕らえられていました。そこはもう使われていない公衆トイレのような場所で、錆びたむき出しのパイプがあり、薄茶色の水が床のタイルを流れていました。ふと足に何かがついているのに気がつきました。薄暗い中見ると、足枷がついていてパイプに繋がれています。
辺りを見回していると、白いワンピースの女の子がドアを開けて入って来ました。聞けば、ここは古い洋館の地下で使われなくなったトイレだということです。なぜか女の子は鍵を持っていて、足枷を外してくれました。自分も連れて来られたばかりであまりよくはわからないけれど、ここはある女性の家で、毎晩遠くから悲鳴が聞こえたりしている。どうやらなにかの実験をしているようだと女の子は言いました。
いつもたくさんの使用人や奴隷や実験体がいるらしいのですが、今日に限って誰も見かけないと。どうにか逃げ出そうと思って歩いていたら、気を失っていた僕を見つけたので、一緒に逃げてほしいと思い鍵を持ってきたとのことでした。
僕は女の子と二人で逃げ道を探し、洋館の中を歩き始めました。やけに長い廊下、ギシギシ音が鳴る木製の階段、古い作りにはふさわしくない研究室のような部屋、緑色の灯。バイオハザードみたいな感じです。いくら歩き回っても出口はありません。窓は閉めきられていて割ろうとしても割れず、玄関すらあるのかないのかわからず。
それでも懸命に出口を探して廊下を歩いている時でした。なにかすごい匂いが辺りを包みました。嗅いだことがない異様な匂い…。二人で口を押さえながら歩いているとドアを見つけました。ドアを開けると…不思議と先程の匂いは消え、ひっつめ髪の一人では歩けそうにないくらい太っているおばさんがロッキングチェアーに座っていました。おばさんを見た瞬間、女の子は恐怖でひきつっています。僕は何がなんだかわからず、そのおばさんに出口はどこだか知らないか聞いてみました。その直後。そのおばさんは怒りの表情で立ち上がり、「ここから逃げられるとでも思っているのかぁぁぁぁぁ!!!」
…絶叫でした。叫ぶと同時に先程の匂いが辺りを包みました。おばさんが腐っていきます。肌の色がどんどんどす黒くなり、まるで発酵しているかのように体中の皮膚がはじけ飛びました。おばさんは薄黄色の汁を垂らしながら、べちゃべちゃと足音を立て、骨が折れるのにも構わず追いかけてきます。
1
2