UFO・オカルト

懐かしき昭和!あの頃川口浩は熱かった

川口浩

 子供の頃、毎週水曜日の夜のお楽しみといえば「水曜スペシャル」を置いてほかになかった。川口浩隊長が未開の地で原始的な暮らしをしている部族を追ったりUMA的な大蛇やら獣人を追ったりと、今になって思えば相当なトンデモ企画のような気がするが、小学生男子はみんなテレビ画面にクギづけだった。今回はそんな川口隊長の足跡を追ってみようと思い、小学生の頃の日記の封印を解いてみた。が、いきなり行き詰った…。

 絵日記帳にはUFO特集でキャトルミューティレーションを知ったときの衝撃が切々と綴られていたのだが、水曜スペシャルだっただけで川口探検隊シリーズではなかったらしい…。どうやら矢追純一特集が正解だ。ちなみにその日記を書いた小学校二年生の自分はまるっと全部を信じて本気で怖がっていた。気を取り直して川口隊長のことが記されているページを探したら、ピラニアの回についての記述があった。

 あの当時の自分は、なぜかピラニアに心底怯えていた。アマゾン川に指先でも突っ込もうものなら、その瞬間骨だけにされるんだと真剣に思っていた。テレビの中で川口隊長がピラニアに指を噛まれて大流血したときは、指先がなくなってしまったのではないかと本気で心配した。番組の終盤で包帯をぐるぐる巻きにした隊長が出てこなければ、きっと一晩中ピラニアについて考えていたと思う。

 まだテレビが放映するものはすべて真実だと信じられていた時代のこの番組は、ヤラセ問題でその幕を引いた。途中からはヤラセかもしれない、いやそうなんだろうなと思いながらも、個人的にはこんなにワクワクする物語ならいいじゃないかと思っていた。

 当時川口浩探検隊だった藤岡俊幸氏が話していたように、台本のようなものや段取りはあったにしても、実際に大量の毒蛇を用意した寺院の地下を進み、命綱はつけていてもブラジルキャニオンを200メートルも懸垂下降で降りていくなど、とんでもなく危険なロケだったことは確かだ。そして、あのピラニアの件は本当に事故だった。川口隊長の中指は三分の二が取れかかり、包帯を変えようとしたらずるっと動いたほどだったそうだ…やっぱりピラニア怖い。

 あの頃水曜スペシャルで胸を熱くしていた子供たちの中には、超常現象を分析する科学者やUFO研究家になった者もいる。川口隊長は昭和の子供たちに大きな影響を与えてきたのだ。フィクションとノンフィクションが奇跡的な配合で魔法を生んだこんな番組は、もう二度と作ることができないのではないだろうか。

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