オーパーツ第一回目は「アンティキティラ島の機械」をご紹介します!こちらは、しっかりと鑑定もされた結果、正真正銘のオーパーツとされているガチもののオーパーツです。初回ですしね…。やっぱりまずは本物を紹介しないとって事でしばしお付き合いください。
アンティキティラ島の機械は1901年にエーゲ海北西のギリシャ沖にあるアンティキティラの難破船から発見されたものです。この船は紀元前1世紀ごろのローマ時代の船とされています。この難破船からは、多数の彫像やコイン、工芸品などと一緒に、謎の装置や腐食した謎の歯車が引き上げられました。
この腐食した謎の歯車がアンティキティラ島の機械と呼ばれる出土品です。この機械は、腐食した青銅に歯車が埋め込まれておりギリシャ語で読み取れる碑文が刻まれていて、機械時計かアストロラーベと呼ばれる天体観測用の機器と推測されていました。
しかし、このオーパーツの不思議なところでもあるのですが、発見時には歯車などの複雑さなどもあってこれら出土品の重要性は何十年も気づかれることなくひっそりと時を過ごすこととなります。1950年ごろ、フランスの探検家が訪れるまで手つかずのままでした。そののち1976年に難破船のサルベージをしています。この時にこの難破船の年代を特定できるような様々な遺物を回収しました。
これらの遺物のおかげでこの難破船の年代をきっちり測定する事が出来ました。
そしてこの「アンティキティラ島の機械」もようやく研究対象となることになりました。この機械は先述の通り、歯車が使用された機械であることはわかっていましたが、それまで歯車式機械の登場は18世紀に入ってからのことだとされていました。「アンティキティラ島の機械」が歯車を使って何かをするためのものであることは間違いないので「オーパーツ」と騒がれるようになりました。それまでの定説とは1900年ほどの開きがあるのでオーパーツと言っても過言ではないと思いますが、やはり年代が公表された時には古代ギリシャにはここまで高度な機械を作る技術がないと宇宙人によるものやこの機械自体が偽物だとする説も飛び交いました。
しかし冒頭で紹介した通り、この「アンティキティラ島の機械」については回収された遺物や沈没船の鑑定、この機械の仕様説明がコイネーと呼ばれる古代ギリシャ語で書かれている事などから、学者などからもほぼ間違いなく古代のギリシャで作られた遺物とされていて「オーパーツ」だと認定されています。
現在この「アンティキティラ島の機械」は世界最古の複雑な科学計算機と考えられています。発見されたパーツからは、3つの表示板と30以上の歯車を持つことがわかっています。表示板はエジプト式のカレンダーや黄道十二星座の記号が刻まれているものなどがあり、なんとうるう年まで計算できるようになっているそうです。うるう年を用いたユリウス暦が出来たのが紀元前46年と言われているので、この「アンティキティラ島の機械」が作られた100年後と言うことになります。そういう意味でもまたオーパーツですね。
この精密機械の使い道についてはハッキリしていません。日食や月食を計算することが出来たので、庶民へ対する政治へ使った説や博物館や公会堂で展示されていたのではないかとする説、古代オリンピックの開催日などを計算できたとされる説など、詳しい使い道については議論されている最中です。
「アンティキティラ島の機械」にはまだまだ謎が多いんですね…。誰がなんのために作ったのか作らせたのか、似たような機械が発見されていないことからなぜこの機械だけが作られることになったのか、これほど精密な機械が作られたのになぜその後発展しなかったのか…。もしこの精密な機械を作る技術が紀元前からの1900年間も続いていれば現代はまた違う姿に発展していたかも知れませんね。
しかし古代ギリシャ文明の高さには本当に驚きますね!「アンティキティラ島の機械」は現在も調査が続けられていますので、今後新しい発見があることに期待したいですね。