【ナスカの地上絵とは】
オーパーツ、今回はベタではありますが、避けては通れない「ナスカの地上絵」です。
「ナスカの地上絵」は、ペルー・ナスカ地方の平原に描かれた幾何学模様や動植物の絵の総称。絵具や顔料で描かれた訳ではなく、地表面の砂利を色分けして描かれました。地上絵が描かれたエリアは縦横30kmもある広大な面積、描かれている図形はなんと千数百点!地上からは認識できないほど巨大な図形も多いです。空から見ないと把握が難しいため調査が難航してるんですね。
【パルパの地上絵】
このエリアから川向こうに「カワチの階段ピラミッド群」と呼ばれる地域があります。反対側にはパルパの地上絵があり、こちらもナスカと同じくらい広大な山岳地帯です。パルパは観光エリアから少し外れたところにあるため発見が遅れたと言われています。でも歴史はこちらの方が古く「ナスカの地上絵」よりも1000年ほど前ではないかとされています。
「ナスカの地上絵」と「パルパの地上絵」はどちらも世界遺産に登録されていますが、パルパの地上絵エリアは観光地化されていないのであまり知られていません。
【地上絵の歴史】
「ナスカの地上絵」が知られるようになったのは、アメリカの歴史学者ポール・コソックが動物の地上絵を偶然発見したからでした。地上絵エリアは細長い盆地ですが、長い年月をかけて土砂が運び込まれたようです。この土砂は細かくて明るい黄白色で、地上絵の線の部分になります。
この土砂地盤に、たまに起こる大洪水などによって運ばれてきた比較的大きな岩石や礫が表層に覆いかぶさります。これらの岩石や礫は焼けつく太陽に照らされ、酸化して赤褐色になります。この岩石などをどかすと、下にある黄白色の地盤が表れて線が描ける…という仕組みになっています。線の部分が沈んでるんですね。地上絵の線は幅1~2メートル、深さ20~30cmほどだそうです。
【地上絵の現状】
地上絵には有名なコンドルのほかに、ハチドリ、クモ、花、トカゲ、巨人、オウム、トライアングルなどの幾何学模様があります。ちなみにコンドルの地上絵は、昭和の時代の有名なゲーム”ゼビウス”にも登場しましたので、記憶している方も多いと思います。
地上絵の研究は現在も進められています。山形大学ナスカ研究所がIBMと協力、AIを使用した調査をしているそうです。この研究所は世界で唯一、ペルー政府に現地調査が認められているんだとか。AI技術を使って航空写真を分析すると自動検出が出来るんだそうです。同時に、気候変動や都市開発によって地上絵がなくなってしまう危機に備えて保存作業も進められています。
さて、この地上絵ですが、どのように描かれたのでしょうか。
【地上絵はどうやって描かれた?】
現在では、小さい絵から中心点を起点とし「拡大法」を使ったと考えられています。中心点からの距離を同じ倍率で拡大、地上絵の大きさまで繰り返したというものです。ですが「拡大法だとしても、上空からでないと認識できないほど大きく描けるのか」と疑問を持つ人々がいました。そこでイギリスの調査チームが実験!100人の人間が10時間ほど作業したら約1670㎡が完了したそうです。日本でも九州産業大学が似た実験を行っています。小学校の授業の一環として、画鋲2つと糸1本のみを使って地上絵を再現する試みです。その結果、日本の小学生程度の算数の知識があれば地上絵が描けるという結論に。
しかし、研究は進んだものの地上絵が描かれた目的はわかっていません。説としては、暦の算出に使われていたのではないかとか雨乞いに使われていたのではないか、はたまたナスカ文明の社会事業として機能させていたのではないかという面白いものがあります。オカルト的な話では、空や宇宙に向けたという説もありますね。神様や宇宙人が降り立つための滑走路とする話もありました。
【結局オーパーツなのか!?】
個人的にはやっぱりこの神様=宇宙人・異星人に向けたメッセージ説を推したいですね。この時代に拡大法のような算数的な手法を編み出し、大勢の労働力を割いてまで巨大な地上絵を描いたと言うことにはやはり意味があるんだと思います。暦だったり雨乞いだったらここまで大きくする必要はありませんから。やはり描いたものは誰かに見てもらいたい、見てもらうために描いたんだと思うのが安直であり真実なのではないかと。
古代人でも現代人でもやはりロマンは感じたいんだと思います。実際に神様がいたり、UFOで降りてきたなんてことは無いのかも知れません。だけど、いるんじゃないか地上絵を描けば降りてきてくれるんじゃないかと思ったのかなと思うと古代人ってかわいいですよね。かわいいし恐ろしいほどの実行力があったと。地位が高い人たちが本気で人生を賭け、民衆を使ってまで描いたこの地上絵。なにかロマンが詰まっていることが証明される日を心待ちにしたいと思います。