本日は日本のオーパーツ「翡翠の勾玉」をご紹介したいと思います。皆さんは勾玉をご存じでしょうか。歴史の授業で出てきたかも知れませんが、日本の”三種の神器”として勉強した人も多いと思います。これは日本の神話において、天照大神がニニギノミコトに授けたものとして古事記や日本書紀に書かれています。この三種類の宝物が八咫鏡・天叢雲剣・八尺瓊勾玉で、日本の歴代天皇が受け継ぐ宝物として”三種の神器”と呼ばれています。
勾玉の形は現代でもアクセサリーとして人気があり、お土産物としてキーホルダーになっていたりパワーストーンのように用いられたりしているので、この形については良く見かけると思います。雫の形をキュッと曲げたようでかわいい形をしていますよね。そこに謎の穴があいていて、ネックレスにする時には紐を通したり何かと便利な穴が開いています。
しかし、八尺瓊勾玉もお土産の勾玉ももちろんオーパーツではありません!
長々と勾玉の説明をしてしまいましたが、縄文時代の遺跡や弥生時代の遺跡から発掘されることがあるのがこの勾玉なんです。神話でも語られるくらいなので古来よりあるものなんですが、出土するものの中に翡翠で出来た勾玉があるんです。もちろん勾玉なので、想像通りの形をしていて穴も開いています。しかし…この穴が問題で、この時代の人々に翡翠にキレイな穴を開ける技術があったのか、その辺りがオーパーツではないかと言われる所以です。
翡翠という石は、緑色がかった半透明の石です。日本だけではなく中国やアステカ文明でも人気が高い石で、時には金よりも珍重されたこともある宝石でした。中でも日本は世界でも有数の翡翠の産地で、日本の国石は翡翠です。新潟県糸魚川の翡翠が有名ですが、もし見つけても持ち帰ってはダメですよ。糸魚川には採取禁止エリアがありますので…。
この翡翠ですが、縄文時代は石斧や装飾品として使われていたことが発掘品からわかっています。勾玉も装飾品として使われていたようですが、この翡翠。とても硬く、耐久性が高い石をして知られています。石の硬さのスケールとして知られるモース硬度では、ダイヤモンドが10のところ、翡翠は6~7とされています。硬度自体はダイヤモンドには及びませんが、耐久性はダイヤモンドよりも強く、割れたり欠けたりしにくい性質をもっています。
そんな翡翠を、縄文時代の人々はどうやって穴を開けたり石斧に加工したりしていたのか。いくら割れにくい石だとは言え、割れたりヒビを入れることなく勾玉に小さな穴を開ける技術が縄文時代にあったのでしょうか。途方もない時間をかけて加工していたのかも知れません。翡翠はとても魅力的な石ですよね。
なにはともあれ、翡翠に穴を開ける技術、勾玉の完成度からしてもこれは「オーパーツ」と言ってもいいのではないでしょうか。
それでは今回はこの辺で。