今回は虚舟(うつろぶね)をご紹介したいと思います。こちらは日本の「オーパーツ」です。日本各地に伝わる民族伝承に登場する舟が「虚舟」と呼ばれています。”空穂舟(うつぼぶね)”や”うつぼ舟”と言われることもありますが、一番有名な伝承から一般的には「虚舟」と呼ばれます。
最も有名な事例は1803年常盤国のものですが、その他にも1796年の加賀国、1681年の尾張国、越後国のもの、1700年ごろの伊予国、1883年の神戸沖のものなど多数の記録が残っています。
常磐国の虚舟は1803年に常磐国に漂流したとされます。江戸の好事家の集まりで語られた奇談・怪談を集めた”兎園小説”と言う本がありました。ここで図版付きで収録された”虚舟の蛮女”が発端となり、現在にも知られる資料として残されました。
”虚舟の蛮女”は以下のような内容になっています。
・常盤国の鹿島郡の浜に虚舟が漂着した
・虚舟は鉄で出来ており、窓が張られていて丸っこい形をしている
・虚舟には文字のようなものが書かれている
・虚舟の中には異国の女性が乗っていて箱を持っている
この舟は直径5.4m、高さ3.4m、上部はガラス張りで下部は鉄で作られていて、内部には赤髪の女性が乗っていたとされています。この女性は言葉が通じず、60cm四方の箱を持っていて誰にも触らせないように大事にしていたとの事です。そのほか、水が入った瓶、謎の素材で出来た敷物、お菓子のようなもの、肉を練ったような食べ物があったと言います。
人々はこの舟のことを役所に届けようか思案しましたが、後々調べられるのも面倒だしお金もかかるし何かと面倒だと、この女性を舟に戻して沖へ運び、海に流してしまったそうです。
ひどいですね…。この女性が何者だったのか、この一人乗りの舟はなんだったのか、当時の事を知る由もありません。船内に書かれていたと言う文字のようなものも気になりますよね。舟の形は完全にUFOのまんまですし…。紙の乗り物なんて説もありますが、空を飛ぶことも深海を潜っていくことも出来たのかとも想像しちゃいますね。
それでは今回はこの辺で。