昭和の時代、人々を熱狂させたUMAこと未確認生物たち。水曜スペシャルがどれだけ昭和の子供たちを熱くさせたことか…。うっかり見忘れた子供は次の日の教室で肩身の狭い思いをしたはずだ。そんなUMAたちの現在はどうなっているのか。今回はキングオブUMA、ネッシーについて調べてみた。
そもそもネッシーとは…。スコットランドのネス湖(Loch Ness)に生息しているという、長い首を持つ未確認生物だ。6世紀の『聖コロンバ伝』に書かれた記録が最も古く、体長は10-15メートルとかなり大きい。中生代のジュラ紀に生きていた首長竜・プレシオサウルスに似ていると言われているので、「のび太と恐竜」のピー助を思い浮かべてもらえれば正解。
1933年に湖畔でホテルを営んでいたマッケイ夫妻が「道路を横切っていった」と証言、新聞に取り上げられたことがブームの口火を切った。過去には日本のテレビ番組でネス湖での現地調査を行ったことも。現地の住民たちへのインタビューで目撃証言を集めたり、写真などを検証したりしていた。ソナーを使って「大きな物体が動いた!」なんていうのもあったが、昭和の時代のテレビですから…ねぇ…。
長い間「外科医の写真」として有名だったネッシーの写真は、おもちゃの潜水艦にネッシーっぽい首の模型を取り付けたトリック写真だとわかっている。作った本人が死の間際に「エイプリルフールの冗談だったのに引くに引けなくなった」と言うのがイギリスのサンデー・テレグラフ紙の記事になったのだ。でもその発端が「義父が見つけたネッシーの足跡を偽物扱いされたから」って、実に本末転倒。
ネス湖は冷水で食べ物がないよ!とかネス湖付近は1万年以上前まで氷河期だったのにその前に絶滅してるはずの恐竜が生きてるわけないでしょ!などという科学的議論はさておき、ネッシーは世界中にUMAブームを引き起こすきっかけになった。雪男やツチノコブームもネッシーのおかげ。ありとあらゆる雑誌でUMAが取り上げられていた時代、のどかでよかったなあ…。
ともあれ、ネス湖は世界中から観光客を集める一大観光地になった。その経済効果は、コロナ禍を経て年間78億円と報道されている。2023年8月26・27日には赤外線カメラを搭載したドローンや最新のソナーを使った大規模な調査が行われたが、発見には至らなかった。この「ザ・クエスト」は2024年5月にも行われ、ネス湖センターはNASAに機材や専門知識の提供を求めていたが、協力したという話は出ていないようで…。ちなみに「ザ・クエスト」は2025年の5月22-25日にも行われ、ボランティアとして参加できるツアーやクルーズの予約が始まっている。…イベントって思いっきり書いてあるけど。
未だに目撃証言が集まり続けているネッシー。ネス湖の最大水深は約223メートル、平均でも132メートルとかなり深い湖なので(日本だと鹿児島の池田湖や北海道の摩周湖に近い)調査が難しいようだが、ネッシーはもはや一大ロマンなのでぜひ解明してほしい。