今回は「遮光器土偶」をご紹介したいと思います。こちらは日本のオーパーツと呼ばれる出土品です。
遮光器土偶は、主に縄文時代後期(約3000~2300年前)の遺跡から発見されています。これらの遺跡は日本列島の各地に広がっており、特に東北地方や北海道に集中しています。代表的な発掘地は、青森県の亀ヶ岡遺跡です。明治時代に発掘が始まったこの遺跡は縄文時代後期の集落跡で、数多くの土偶や土器が出土しています。亀ヶ岡文化と呼ばれるこの時代の文化は、洗練された土器の装飾や土偶の造形にその特徴が見られます。
土偶の全体的なフォルムは丸みを帯びており、頭部が大きく、胴体や四肢は比較的細いのが特徴です。胴体や手足には幾何学模様が刻まれ、装飾性が高いものもあります。これらの模様は、当時の縄文人の信仰や装飾文化を反映していると考えられています。多くの場合、女性を象ったとされ、出産や豊穣を祈願するための儀式に使われたと推測されています。目にあたる部分にイヌイットやエスキモーが付けていたような伝統的な遮光器(スノーゴーグルのようなもの)をつけているような形なので遮光器土偶と呼ばれるようになりました。
土偶と言えばどんな形でしょう?と質問されたら、おそらく真っ先に頭に浮かぶ土偶が遮光器土偶です。しかしこの土偶が完全な状態で発掘されることは稀で、どこかしら欠損した状態で見つかることが多いです。もちろん大昔のものだから完全な状態は難しいかも知れませんが、出産は豊穣を祈願するための儀式において体を一部切り取って使われていたのではないかと考えられています。お願いする内容を強調するため、神様にここですよーと伝えるために欠損させていたのかも知れませんね。
と、ここまでなら普通に縄文時代の歴史的な出土品でした。一部でオーパーツとされるにはオーパーツ説を唱えた人物がいるのです。
第二次世界大戦後に、ロシアから科学評論家・宇宙考古学者のアレクサンドル・カザンツェフと言う人が来日しました。彼はこの土偶に注目し、いくつか実物を持ち帰って研究を進めます。そして1962年科学雑誌”アガニョーク”にその研究成果を発表しました。その内容が、遮光器土偶は地球を訪れた宇宙服を着た異星人をモデルにしたものだったと言うものだったのです。顔をすっぽりと包むようにヘルメットを被っており、頭頂部にあるものはアンテナ、大きな目は光を遮るための遮光器です。おそらく光があまり届かない星にいる異星人で、太陽の光を遮る必要があったのだろうと。
この大胆な説に賛同したのが…。そう、皆さんご存じのゼカリア・シッチンです!
いやー、やっぱりこの手の説には欠かせないです、シッチンさん。ステラサーカスのオーパーツ紹介記事でも何回か出てきていますね。宇宙、シュメール、シッチンさんです。なかなかの角度から色々な説を唱えますが研究者としては第一人者ですからね。トンデモ理論で片づけてしまってはいけないと思います。何よりロマンの塊なんです。
そんな方にも賛同されているのだから、この遮光器土偶はオーパーツと言っていいのではないでしょうか。 実際にどう使われていたのか何をモチーフにしたのかしていないのか、それは誰にもわかりませんが、そのかわいらしい形はどこか懐かしく、やわらかい気持ちになりますよね。
アニメなどでも、遮光器土偶モチーフにしているのを見かけます。人気なとこで言うとドラクエシリーズに出てくるミステリードールと言う敵。これは紫色ですね。防御力を下げてきたりMPを吸い取ってきたりと中々やっかいな敵でした。国民的アニメ・ドラえもんの映画版『のび太の日本誕生』にもツチダマという敵として出ています。ギガゾンビさまの手下ですね。藤子F不二雄先生のSFセンサーにもしっかり引っかかっていたのでしょう。
そんな不思議で惹きつけられるフォルムの遮光器土偶。青森で出土した遮光器土偶は現在東京国立博物館で展示されていますので、興味のある方は是非ご覧ください。とてもかわいいですよ!
それでは今回はこの辺で。