Axxis10, CC BY-SA 3.0, ウィキメディア・コモンズ経由で
今回は「コスタリカの石球」についてお話しさせていただきます。コスタリカはカリブ海と太平洋に挟まれた中央アメリカに位置する国です。そのコスタリカの南部にあるディキス渓谷周辺で、1930年ごろバナナ農園の開発のためにジャングルを伐採していると次々と巨大な石の球が発見されました。
その数は現在200以上。大きさは直径2cmのものから2m以上の重さ25トンのものまで様々です。ほとんどの石球の材質は花崗閃緑岩です。大分聞きなれない石だと思いますが、よく墓石に使われているいわゆる御影石が花崗岩、その中での分類で花崗閃緑岩と呼ばれるものがあるくらいの認識で良いかと思います。花崗岩は昔から色々なものに使われてきました。墓石もそうですし、石碑もそうですし、ロゼッタストーンも花崗岩で作られています。
1940年にハーバード大学の博士たちによってこの石球の調査が始まりました。その研究調査によると、多くは一直線に配置されたり曲線を描くように配置されていたり、いずれも図形のような形で意図的に置かれていたのではないかと言うことと、この石球がとても真球に近い形であったことがわかりました。真球とはその名の通り、真ん丸の球のことを言いますが、手作業で真球を作ることは現代の技術でもとても難しいです。また、この石の出所がディキス川の河口付近でしか採れないものもあり、どうやって運搬したのかも謎でした。
石の配置には規則性があり、太陽や星などの天体を表現したものではないかと推測しましたが、この石球の中に黄金が詰まっていると言う噂があって破壊されてしまったり、農園を作るために切り開かれ移動させられてしまったり、本来の配置がわからなくなってしまったものが多数あり、説を裏付けるような研究結果が出ませんでした。
この石球自体は、発見時周囲に存在していた遺構の年代から推測し、西暦300~800年にこの辺りで栄えたディキス石器文化の遺物だと言われています。自然に出来たものではなく、人の手により加工されたものです。加熱と冷却を繰り返して表面を崩しやすくして削ってゆき、球体を作ったとされています。
現在この石球がどうなっているのかと言うと2014年に「ディキスの石球ある先住民居住遺跡群」の一部として世界遺産に登録されています。石球の一部は博物館や公園に展示されていますが多くは発見場所に残したままになっています。コスタリカに旅行したら見てみたいですね。
ということで、オーパーツかどうか。世界遺産になっちゃってんじゃん!と思う方もいらっしゃるかと思いますが、ステラサーカスオンラインにおいてのオーパーツとは、”その時代の素材や技術には到底そぐわない、おそらく人間によって作られたもの”と定義したので、世界遺産に登録されようが研究が進んで色々な事がわかったとしてもこのコスタリカの石球はまぎれもなくオーパーツと認定したいと思います!
それでは今回はこの辺で。