昭和の時代に小学生だった人間なら、誰でも一度は怯えた覚えがある口裂け女。オカルト系の雑誌だけではなく『小学〇年生』でも特集されたり、ネットのない時代なのに全国に広がった都市伝説の先駆けとも言える存在です。1979年に岐阜県の八百津町で高齢女性が目撃したのが発端なのではないかと言われていますが、大まかな特徴としては
・マスクをつけている
・「私きれい?」と尋ねてくる
「はい」だとマスクを取って「これでも?」
「いいえ」その時点で切りつけられる
なんと100mを3秒台で走るなんて話も。
・ポマードと三回言うと逃げていく
・べっこう飴を渡すと満足して去っていく
クラスで早口言葉みたいに「ポマードポマード…!」と練習していた子、いました…。口が裂けたのは整形手術の失敗で、執刀医がポマードをつけていたため嫌がると言われていました。なぜか好物はべっこう飴。ちょっとかわいい。
この口裂け女さんは地域によってかなりバリエーションがあったりします。今回はその違いについてまとめてみたいと思います!
1. 東北地方
・口裂け女はかつて顔に大きな傷を負った女性の霊
・自分より美しい女性に嫉妬しているので、女性だけを狙う
・和服を着ているという話が多かった
2. 関東地方
・口裂け女は整形手術の失敗で口が裂けた
・マスクで口を隠している
・整形手術についてどう思うか尋ねられるという話も
3. 中部地方
・赤いマスクの女性が子どもを誘拐しようとする話が口裂け女に結びついた ・学校周辺で目撃されるという噂が多かった
4. 関西地方
・夫の嫉妬で顔を切り裂かれた女性の霊 ・着物姿で現れるという話も
5. 九州地方
・特定の峠や林道で目撃された噂が多く、心霊スポットと結びついた ・マスクではなく、大きな帽子やフードを被っている
口裂け女が広まった背景
1980年代のオカルトブームが背景にあることは間違いありません。雑誌などで情報を仕入れた子がクラスでその話をして、そこから爆発的に広がっていく中で伝言ゲーム状態になったのでしょう。当時のホラー漫画でも、口が裂けた女に襲われるシチュエーションのものがけっこうありました。
のちに口裂け女をモチーフにした映画が作られたり、2ちゃんねるなどの掲示板で新しい目撃情報が書き込まれたりと、口裂け女はデジタル社会の中でも形を変えて存在してきました。身もふたもない呼び名も含め、なぜか惹きつけられるものがありますよね…。中国や韓国にまで広がっていった口裂け女が今後どんな変化をしていくのか、気になります。