Diane Turner from Arlington, United States, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, ウィキメディア・コモンズ経由で
今回はバーディック・トラックのご紹介です。ご紹介と言うか、こういうこともあるんだと言うことで取り上げてみますね。
アメリカのテキサス州グレンローズにあるパルクシー川一帯は恐竜の足跡の化石が多く見つかることで有名です。この地層をグレンローズ層と言い、恐竜の足跡や人間の足跡と思われる化石が同じ層から発見されたりもしています。恐竜と人類が共存していた証拠としても有名になりました。この地層は約1億5000万年前~1億500万年前の地層だと言われています。
「バーディック・トラック」とはそのような化石たちが、発掘されたあと何物かに持ち去られてしまっていたものを地質学者のクリフォード・レスリー・バーディック博士が購入し、所有していたものの総称です。このコレクションは1950年に公開されました。
バーディック博士は鉱山学者で創造論者の地質学者として長いキャリアをもっています。創造論者とは文字通り「創造論を支持する人たち」のことで、宇宙や生命は全て”創造主なる神”が創り出したとする議論の事です。(創造論もいくつかの説があり、オカルト的にはなかなか面白い題材なのでいつかご紹介出来ればその時にまた)。彼の研究にはセンセーショナルなものもありますが、創造論やノアの箱舟、洪水知識学などの研究で知られています。
その博士の研究がこのバーディック・トラックで、巨人の足跡の化石だとされるものを研究した結果を発表しました。この化石の足跡は長さが30.5cm、幅が16.5cmと人間としてはなかなかの大きさで、スポーツや体格が発達した現代人にはたまにみかけるような大きさではあるものの、当時の人からするとかなり大きいサイズであることは間違いありません。この足跡の大きさから計算すると身長は2.5mほどの巨人ではないかと推測されました。
足跡の深さや輪郭から、力の伝わり方を人間工学的に見て人工的に作られたものだとは断定できないとしました。この研究結果から人類と恐竜は共存していた、古代には巨人が生息していた、と言われるようになり、創造論と進化論の対立を生み出してしまいました。
先述しましたが、創造論では”創造主なる神”が生物を生み出し、世界を創ったとされています。一方、進化論は原始生命から徐々に進化してきたという学説です。宗教や思想が入ってくるので一概にどうとは言えない部分もあるのですが、現代では進化論が主流であり、遺伝子学だと… この辺にしておかないと、おっと誰かが来たようだ…になりかねません。
と、色々と議論を巻き起こしてしまう博士とこの足跡の化石ですが、他にもこのパラクシー川周辺では人間の足跡化石が見つかっています。そして同時に、この化石が作られたものであると言う証拠も見つかってしまったのでした。化石を作った人々も発見されてしまいまして、現在はこの巨人の足跡やパラクシー川で見つかった足跡化石は捏造したものだと断定されています。1930年代の世界大恐慌に襲われた間、この辺りの住民たちは密造酒を造ったり、恐竜の化石を売って稼いでいたと説明しています。供給が少なくなるとまた掘って生き延びたと、何とも物悲しい結末を迎えています。
偽物だとされているものを紹介しているのでオーパーツの紹介としては心苦しいところではありますが、オーパーツの中には明確な悪意によって、自分たちの利益のために作られたものが沢山あります。あの有名な水晶ドクロ(クリスタルスカル)もほとんどが現代の技術で捏造された物だと解明されてしまっていますし。それでも科学的に解明できないことがあるのもまた事実ですし、現段階ではオーパーツと言えるものにはロマンを持って接したいと思います。
こういうオカルト偏重な思いがオーパーツを作り出しているのかも知れませんね(笑)
現代には数多くの足跡が残されています。そう、家の外構工事や塀を作った時になぜか出来てしまうネコの足跡です!いつの間に通ったんだ…と左官屋さん達を悩ますアレですが、現在はネコに優しい世界が加速しているので、施工主さんもそのまま残してくださいと言うことも多いらしいです。足跡には雨水がたまりやすかったり、引っ掛かりが多いので石や人に削られることも多く、足跡化石は長持ちしないようです。もし綺麗なまま残すことが出来れば数千年の時を経たらいい感じにネコの足跡化石パーフェクト版が完成するかも知れませんね!ちなみにネコちゃんにコンクリートがくっついたりはしていないそうなので安心してください。
それでは、今回はこの辺で。