
世界の都市伝説:学校の都市伝説
世界の都市伝説を巡るお話、略して『せとでん』。名古屋を走る電車とは全く関係ありませんのであしからず。
日本には学校の都市伝説が数多くあります。古くは”口裂け女”なんて言う昭和の時代に流行ったものから平成になると”トイレの花子さん”になり、近年は”生首ドリブル”と言う新しいものが子供たちの間で流行しています。
昭和の子供たちは現在の子とは違ってインターネットのような情報を得られるものは新聞や本・漫画くらいしかなかったのですが、元々は岐阜の新聞に取り上げられていた記事が元になって全国紙に掲載されるようになって、日本各地でパトカーが出動するまでの社会問題になってしまうほどに広まっていきました。
口裂け女に関してはいろいろ研究されました。話が出来たルーツや元になったであろう話なども解明され、どのように話しが変化していったのか、どんなバリエーションがあったのかまでわかっています。
”トイレの花子さん”も同じような感じで、爆発的に流行したのは1990年代になってからでした。私が当時聞いたものはただ花子さんが返事をしてくれるだけのものでしたが、いつの間にか花子さんの人物像が足されていたり、殺されてしまうようになったり、撃退法が編み出されていたりとバリエーションが沢山あって困惑したのを覚えています。「トイレにはそれはそれは綺麗な女神様がいるんやで」と歌われるのはもう少し経ってからですが、花子さんがどんどん化け物じみていくのが悲しかったですね。
”生首ドリブル”は近年子供たちの間で流行ったようですが、令和の時代になるとインターネットで取り上げられたり、それまでの都市伝説のバリエーション違いだなぁと思えるようなものも沢山あり、この”生首ドリブル”も簡単に言うと「放課後に校庭でドリブルをしている子をよく見ると自分の頭をボール代わりにして遊んでいる子供だった」と言う感じで、どっかで聞いたことあるような感じだなぁと思ってしまいますよね。
これらの都市伝説が産まれて伝わっていくのにはいくつかの共通点があります。
まずは話の伝わり方。元になったストーリーはどこかにあって、それを聞いた子供が友達に話すことでどんどんと広がっていくんですね。子供たちのネットワークってすごいんですよね。その経過で「友達の友達から聞いたんだけどさ~」と実際にはいない友達の友達が体験した話しとして伝わる事で子供たちの間では信憑性があるものとして広がっていったんです。
更に、伝わる途中で尾ひれがついてとんでもない化け物になっていく事もあるのですが、逆に対処法などの救いが加えられることも特徴です。”口裂け女”にはポマードと唱えるだったり、べっこう飴をあげてなめさせている間に逃げるだったり、”トイレの花子さん”には100点の答案を見せるだったり。怖がりの子が必死になって話しにあった逃げ方を考えていくんでしょうね。
こうなっていくと都市伝説は子供たちの間で練りに練られた創作物とも言えなくないのですが、本当にそれだけなのかはしっかり考えないといけませんね。何より、これらの都市伝説にはオリジナルとなった元の話があるのですから。その元の話しは愉快な話しだけじゃないだろうし、何か悲しい事実が隠されているのかも知れません。
「友達の友達が体験した話しなんだけどさ~」
「ネットに書いてあったんだけどさ~」
これからも新しい都市伝説はどこかで産まれていくと思います。
その中には真実を少しだけ含んだ都市伝説が…。