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自覚できない意識って?前意識、無意識の働き

 私たちの「こころ」の仕組みは「意識」「前意識」「無意識」の三つに分けられます。意識とは自分と周囲の状況がわかっている、自分にとってクリアな領域のこと。あまり聞き覚えのない前意識とは、普段は気にしていない部分を意識することで認識できる領域です。そして無意識は、自分の意思では意識できない領域のこと。この部分は、ある言葉に対して心に浮かぶまま自由に発想すること…自由連想によって認識することができます。

 私たちの心はこれらの三つの意識で自分の欲求を活かしながら、葛藤や不安を感じないように調整しています。この働きは「適応」といいますが、その代表例には以下のようなものがあります。

【抑圧】我慢できない感情を表に出ないように抑えることで、無意識に忘れる。
【逃避】不安や緊張から白昼夢、空想・疾病などによって逃げ出し安定を図る。
【退行】より以前の発達段階に逆戻りして、甘えるなど未熟な行動をとる。
【代償】本来ほしいものが得られないとき、獲得しやすい代わりのもので我慢をする。
【昇華】認められない自分の欲求を社会的に認められる形で満たそうとする。
【投射】容認しがたい感情をほかの対象に向けて表現する。
【同一化】満たせない願望を満たす他者と自分を同一化することにより代理的に満足する。
【合理化】自分に都合の理由づけをすることで自分の失敗を正当化する。
【置換え】ある対象に向けられた欲求や感情(愛情、憎しみ)をほかの対象に向けて表現する。
【反動形成】知られたくない欲求や感情を正反対の行動をとることで本当の自分を隠す。

 自分に当てはまるものはありますか?カウンセリングなどでもこれらの心理が掘り下げられることは多々ありますが、ネガティブな気持ちをコントロールするために使える考え方なんですね。

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