ポリスというバンドが『シンクロニシティ』というアルバムを発表したのは1983年だった。日本語では「共時性」と訳されるが、シンクロニシティは心理学者のユングが提唱した概念で、一見偶然に見える出来事が同時発生して「偶然の一致」に見える現象を作るという考え方だ。わかりにくい概念だが、ポリスの同名曲の歌詞にはこう描かれている。
A connecting principle
Linked to the invisible
Almost imperceptible
Something inexpressible
Science insusceptible
Logic so inflexible
Causally connectible
Nothing is invincible
If we share this nightmare
We can dream
Spiritus mundi
If you act, as you think
The missing link
Synchronicity
接続の原理
見えないものとのリンク
知覚はほぼできない
それほどに微細なもの
科学では証明不可能
論理は融通が利かない
因果的に接続可能
揺らがぬものなどない
もしこの悪夢を共有しているなら
ぼくたちは夢見ることができる
霊的な世界
思考に従い行動するなら
リンクは失われる
シンクロニシティ
よく聞くのは、恋愛初期にシンクロニシティが起きるという話だ。霊的なことなど信じていなかった友人は、激しい恋に落ちてからスピリチュアルに興味を持つようになった。彼女は「夜中に電話がかかってくることが多いんだけど、彼から電話が来るときは寝ていてもその直前に目が覚める」のだという。それだけではなく、相手のことを考えていたらちょうど連絡が入るといった出来事は日常茶飯事で、たまたま行った仕事先の街…普段の生活圏から1時間以上かかる場所だった…で彼に出くわしたことまであったそうだ。
あるヒーラーによれば、お互いのエネルギーが引き合っている時期にシンクロニシティが起きることはよくあることだという。だとすれば、恋愛中の二人に不思議な偶然が起きるのは納得できるような気がする。恋愛中でなくても、頻繁にシンクロニシティが起きるときはその人にとっていい流れを呼び込めているという意味を持ち、それとは逆にシンクロニシティを起こすことで流れを呼び込むこともできるらしい。
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