マウントフィールド国立公園 タスマニア

高いエネルギーになれば人生は動く ジュディス・カーペンターが遺したもの

 壇上で目を瞑った彼女の身体が大きくなっていくのを、部屋にいた100人以上がじっと見つめていました。20年以上日本に来てくれていたオーストラリアのサイキック、ジュディス・カーペンターは自分の意志でフィールドを広げることができる人でした。ジュディスほどはっきりエネルギーの変化を見せられる人はそう多くないと思います。彼女は日本を愛してくれた人でもありました。

タスマニアが生んだヒーラー

 タスマニア出身のジュディスは、幼い頃からヒーリングとリーディングの能力を持っていました。身近な人を癒すことから始まり、やがてタスマニア大学のメタフィジックス科で教鞭を執るようになります。霊能者が大学で形而上学を教えるという経歴は彼女らしい立ち位置で、彼女は研究機関による能力の検証を受け、身元不明者の捜査や難病に苦しむ人へのヒーリングなども行いました。ローマ法王ヨハネ・パウロ2世やダライ・ラマ法王とも会い、「天と地をつなぐパイプライン」と評価されています。日本との交流は21年という長いもので、テレビ番組での姿を覚えている方もいるかもしれません。そんな彼女は2018年2月に亡くなっています。

幣立神宮に導かれた「白い人」

 ジュディスと日本の縁と言えば、熊本の幣立神宮について語らないわけにはいきません。彼女はある時オーストラリアの浜辺で二つの石を拾い、これをしかるべき場所へ届けなければならないと感じたといいます。そして一つをアリゾナのホピ族に、もう一つを幣立神宮に奉納しました。

 幣立神宮には「五色の神面に象徴される五つの人種がこの宮に集う」という五色神祭が伝わっています。1995年、ジュディスは「白い人」の代表として拝殿に立ちました。本殿での参拝中に泉を囲んで人々が輪になっているビジョンが見え、境内の東手洗の池に立ったときにこの泉だと悟ったといいます。御神木の前では「ショーワ、ショーワと聞こえる」と宮司に告げましたが、その木は昭和天皇とゆかりのある木だったそうです。

エネルギーが先、心は後

 ジュディスが教えていたことの核心部分はとてもシンプルです。「多くの人の問題はエネルギーが低いことだ。エネルギーを上げれば動けるようになり、実際に動ければ人生も動く」。この順序なんですよね。まずエネルギーが先にあって、思考や感情はそこについてくるものだという。だから彼女が教えていたのは、日常の中でエネルギーを上げる方法や外部から影響を受けないための防御の方法などでした。

 彼女は自らの意志で高次の意識へ移行し、まったく思考のない状態に入ることができたと言われます。彼女が生まれつき持っていた才能のおかげだということもできますが、意識の状態を意図的に切り替えるという核の部分は訓練次第で身につく技術です。古代エジプトでもインカでも、人間は数千年前から意識について学んできました。ジュディスという存在は、それが現代にも生きていることを証明していました。

どうして木があなたのエネルギーを必要とするの?

 ジュディスらしさがよく出ていた場面を最後にご紹介します。イブニングイベントの質問タイムに手を上げた参加者が言いました。「私はよく木に触れてエネルギーをあげているんですが…」。ジュディスはちょっと鼻で笑って言いました。「どうして木があなたのエネルギーを必要とするの?」

 会場は少しフフッとなりましたが、この言葉はジュディスのエネルギー観の要約とも言えます。樹木は大地に根を張り、人間より遥かに長く緩やかな循環の中に生きています。そんな木に対してエネルギーを「あげている」とは、流れの向きを取り違えたエゴだということを彼女は一瞬で指摘したのです。

 エネルギーは実際に感じたり見たりすることができますし、流れには向きがあって扱い方を学ぶこともできます。ジュディスが日本に遺したのは、当たり前の日常の中で人々が忘れていった野性だったのではないでしょうか。

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