スピリチュアルと言えば“インチキ”“胡散臭い”などというイメージがついて回っていますし、実際そういう人間も多くいる世界だと思います。私自身が身を持って体験したことでも、科学的に証明できないので堂々と“これは本物です!”とは言えない状況が続いてきました。その目に見えない世界を解き明かす手がかりとして、期待されるのが量子力学という比較的新しい学問です。ノーベル賞を獲ったアメリカの学者・ファインマンでさえ「量子力学を真に理解している者は一人もいないだろう」と言ったほど、法則性に乏しい科学です。
ハーバード大学の教授で素粒子物理学の専門家であるリサ・ランドール氏は1999年に「三次元世界は人間の目には見えない五次元世界に組み込まれている」と発表しました。私たちの住む宇宙は三次元の膜のようなものに貼りついているため五次元に入る物理的な方法はないが、その五次元世界が私たちの三次元世界に影響を与えている可能性がある」との論は、世界はシャワーカーテンのようなもので、私たちはそれについた水滴のようなものだと説明しています。私たちの宇宙と同じように、また別の膜に貼りついた三次元世界の宇宙が存在する可能性にも言及していますが、その場合地球とは異なったある条件下に閉じ込められていると考えられるそうです。
スピリチュアルと科学を結びつける鍵としては、ホログラムの存在も期待されています。神経外科医だったカール・プリブラムは、記憶は脳の特定の場所に貯蔵されるのではなく、脳全体あるいは分散して蓄積されると考えました。外科的に脳の一部を切除しても特定の記憶を失う患者がいなかったこと、脳のかなりの部分を切除した患者の記憶が全体的にぼやけることがあっても特定の記憶を失った人がいなかったことでさらにこの理論の研究を進め、“視覚とはホログラフィ…すべての部分に全体が含まれる…のようなものである”との結論にたどり着きました。これに対して反証を得ようとした学者も含め様々な実験が行われ、記憶の場はゼロポイントフィールド…何もないように見えても量子レベルでは活発な動きがある場、量子物理学以前には切り捨てられていた場…に貯蔵されていると考える学者も出てきました。