今でこそスピリチュアルという言葉は一般的に使われるようになりましたが、2000年代初期の日本では興味を持つ人は多くはありませんでした。東京にはいくつかヒーリングサロンと呼ばれる店や海外から講師を招いてセミナーをしている会社がありましたが、怪しい…と思っている人は今以上に多かったのではないかと思います。オーラ・リーディングやヒーリングのセミナーは13か月で100万円を超えるものや海外の著名ヒーラーのスクールがヒーラー養成などを行っていましたが、数日間の入門的なセミナーの系統が今現在行われているようなセミナーに続いています。
今以上にスピリチュアルに対して「よくわからない…」と思われていた時代には、今考えるととんでもないな!と思うような事件が多発していたような気がします。当時問題になったのは…
【男性ヒーラーが「観念を落とす必要がある」と言って複数のクライアントや生徒と性行為を行う】
エゴをなくさなければならないということだったんですが、既婚者に対しても恋愛めいた言葉を使っていたことと人気のあるサロンだったことで、掲示板では二桁に届くようなスレが立ち荒れていました。
【癒しグッズの成分】
光速より速く移動する粒子タキオンを封じ込めた、18金として売っていたグッズが実際には10金だったと判明。販売側は日本の金取扱業者に話を聞いたそうで「ヨーロッパでは18金と明記していても、そうでない場合があるとおっしゃるのです」とのこと。「大変驚きました」だそうです。
この二件は同じ会社でのことですが、こちらで学んでヒーラーになった人の中には後になってスピ界では有名になった方もいます。
【新興宗教と繋がった霊感商法】 Wikipediaにもまとめられた神世界事件が有名です。当時多かった自宅サロンを装って「お茶会」(このネーミング多かったんですよ...)などで人を集め、手かざしなどでヒーリングをしつつ不安を煽り、最終的に宗教グッズを買わせていました。 この事件はあえて宗教認可を取っていない団体の中に神奈川県警の警視や北大の准教授がいて、その肩書を使って信用させ「うちは宗教ではない」と主張する悪質さ。この中の大先生が「ここは神様とお取引するところです。神様にプラスの事をした分だけよくしていただけます」と言っていたとか。神さまがその団体に使われちゃってるとでも言うんですかね...。ちなみに神さまへのお返しは「金銭」と「人を紹介すること」だったりしました。 神世界事件だけでなく、新興宗教のカムフラージュとしてヒーリングサロンの形というのは多かったように思います。六本木の巫女と称して架空の投資話で詐欺とか、有名人の洗脳騒動などもありました。 【ヒーリングサロン殺人事件】 ヒーリングサロンと出版社を経営していた男が、マッサージや指圧の資格を持つ妻と結婚。このサロンではお祓いや除霊も行っていたが、宗教色が強いことから顧客が激減。一般的なリラクゼーションサロンを開いた妻に手をかけた事件。男は事件を起こす前に泥酔して暴れたりDVもあったようです。ちなみにこの男、精神カウンセリングも行っていたそうです。 オウム真理教の一連の事件もあり、宗教と霊的な力、ヒーリングやスピリチュアルといった概念がごちゃ混ぜになっていた時期だったのかもしれません。少なくとも幸せに暮らすために「これを買わなければ神の怒りを買うぞ!」なんて言う人のことは信用しない方がいいですよね。
こういったサロンや宗教団体の特徴は「ピラミッド型」なのではないかと思います。少数の選ばれし者が悩める者に教えるとか救済するとか、それってその人たちを崇めるカルト宗教になっちゃってますよね。こういった事件があってから20年以上を経て、今のスピリチュアルは進化したと思いたいのですが、いかがでしょうか。