ゲームやアニメ、映画などのファンタジー映画などの世界では、もうなくてはならない存在である「魔術師」や「魔女」たち。その颯爽とした活躍ぶりを見ると「自分も魔女や魔術師になってみたいな」と思う人がいても、不思議ではないでしょう。
そんなことは夢物語だと思いますか?いえ、実は21世紀の現代、あなたと同じ世界、同じ空の下を本物の魔女たちが闊歩しているのです。
人類が意識を持って以来、不思議なこと、奇跡的なことに対する憧れは存在してきました。特に現代のように技術や医療知識が発達しておらず、少しでもトラブルがあれば神頼みくらいしか方法もなかった時代には、その気持ちはより切実だったに違いありません。とはいっても「奇跡」は滅多に起きてこないからこその「奇跡」。神々には気軽に呼びかけることはできませんが、それゆえに神に等しい不思議な力を振るうとされていた魔術師が崇められていた時代もあったのでしょう。太古の魔術師の多くが、不思議な祈祷と、人心を操る集団催眠術的な技法を持って活躍していた様子が、聖書の偽典などに記載されています。
その一方、魔女たちはもっと身近で頼りやすい存在でした。実在の彼女たちは箒で空を飛んだりはしませんでしたが、薬草などの知恵を活かして怪我や病気に苦しむ人々を助けたり、共同体の産婆として活躍し、多くの子どもたちを取り上げたりしていました。
神の力に頼らずに人生に変化を起こす彼らは、当時のキリスト教社会にとっては目の上のコブ的な存在であり、そこから、魔女狩りなどの凄惨な事件も起きてきました。
しかし、キリスト教会の締め付けが緩んできた19世紀末からは「近代魔術復興」というムーヴメントが起こり、それまで隠れて活動していた彼らが表舞台に出てきました。今では、本物の魔術師や魔女になるめの修行法も公開されています。思い切って挑戦してみるのも面白いかも?
(ヘイズ中村
魔女・魔術師&占い師・執筆家
中学生時代から研究と修行の道に入ったのに神秘性の欠片もない神秘家
HP https://www.fortunamoon.com)