ワンネスを知る、あるいは統合された状態に立ち戻るためには二元論を徹底的に知らなければなりません。私たちの多くは、二元論というと太陽/月など自分の外側をイメージするのではないでしょうか。ですが古代からの教えにあるように、私たちは内側にある二元性を見つけて乗り越えることで神聖な力を取り戻すことができます。それはおそらく、旧約聖書の成立以降に失われた… 古代エジプトやメソポタミアでは私たちのような「普通」の人間でも持っていた力です。
私たちが古代エジプトの「神」と認識しているものは、もともと地球が生まれる過程で細分化していった性質・要素を指しています。それらは単数形でネチェル、複数形でネチェルゥと呼ばれますが、「神」と翻訳されるために人間の外側にあるように誤解されてきました。
それらの神聖な原理は、ギリシャやローマの侵攻と破壊によって見えなくなってしまったものです。ギリシャやローマが悪いということではなく、地球を支配する「時間」の流れの中で男性性に傾いた時期にあったということでしょう。それから現代に至るまで、「女性が男性を守り育て、男性はそれに感謝や愛を返す」という役割、世界を動かすよう影響を与える役割も男性に取って代わられています。
古代エジプトの神話や信仰において、王妃は重要な役割を担っていました。イシスは母性や魔法、再生を司る存在として知られますが、彼女はばらばらにされた夫・オシリスの遺体を集め、周囲の協力を得て復活させたとされます。この神話は王妃が単なるファラオの配偶者ではなく、神聖な原理を象徴する存在だと表現したものです。古代エジプトではファラオと王妃はどちらも神聖な存在だったのです。
文字通り古き良き時代のエネルギーを取り戻すために、私たちはまず自分の中にある対立軸、二元性に気づこうとする勇気を持たなければなりません。この覚悟を決めたとき、それまでふわっとした「スピリチュアル」の名のもとにやってきたことは「自分の奥底まで知り尽くそうとする」形而上学へと変化していきます。