アメリカのスピリチュアル界では、今「儀式」がちょっとしたブームになっています。祭壇の前で、というものもありますが、日常の中での小さな儀式を行うこともあります。特に先進国では、霊的な世界と現実世界が切り離されていると言われます。儀式は、人々が小さな集団で暮らしていた太古の昔を思い出し、霊的な存在との繋がりを保つために行われます。
いろいろな儀式
仏教やゾロアスター教で行われる護摩は、煩悩を焼き払い願いを成就させます。インカのシャーマンは、目的に応じてデスパチョと呼ばれるスピリットへの贈り物を作り、その包みを燃やしますし、セージやスイートグラスを燻した煙で浄化するスマッジングも、ネイティブ・アメリカンの儀式の一つです。鳥の羽を束ねて作った扇のようなワンドはスマッジング・フェザー・ワンドと呼ばれ、煙を必要な場所に向けます。
『氷を溶かし心を溶かすグリーンランドのシャーマン』でご紹介したグリーンランドのシャーマン・アンガンガーは、朝起きたら心を込めて淹れた一杯のコーヒーを飲むことが自分にとっての儀式だと言っていました。
身近なところでは、一時ブームになった「お財布フリフリ」。満月の夜にレシートやクレジットカードなどを出したお財布を振るというのも儀式の一種でしょう。多数の人間がそう信じることで集合意識に影響を与えるので、多くの人がやればやるほど効果が出るようになるかもしれません。決まった形ではなく、自分だけの儀式を作ることもできるんですね。そういう意味では、受験や試合の前にカツを食べるのも儀式と言えそうです。
次のページでは、気軽にできる日常的な儀式をご紹介します。マヤ系に当たるアマゾンのシャーマンはココナッツミルクとカカオで作ったチョコレートドリンクの儀式を行ったりもしていますので、良質なココアを淹れてゆっくりいただく、なんて儀式も楽しく行えそうです。ちなみにカカオには神経伝達物質の一種アナンダミド… 幸せホルモンと呼ばれるホルモンの一つが含まれているそうです。今回の記事とは関係ありませんが、植物系のシャーマンって薬学者みたいですよね…。
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