生涯の伴侶に出会ったり、思いを届けたりしやすいこの時期は、そうした深い縁を結ぶ相手の姿を垣間見ることもできる、とされている時期でもあります。そのための方法は意外にシンプルで、自室にかけてある鏡を深夜0時にそっと覗いてみるとか、映画スターの写真がたくさん載っている本を、ばっと開いてみるとか。この場合はもちろん、そのスターと結ばれるのではなく、その人とよく似た人と結ばれる、という意味です。
このように、ある一定の物体の上に現れる神秘的な画像から占い結果を見出す技法は、スクライング(霊視)と呼ばれます。これが洗練された占いがみなさんも映画などでみたことがあるであろう、水晶球霊視です。今では人造水晶などの技術も進んで水晶は入手しやすくなりましたが、それでも高価な道具です。昔は王室付きの占い師でもないと買えないものでしたので、その代わりに、水を容器に入れた水鏡、井戸の水面、樽に入っているワインやブランデー、そして身近にある鏡などを使っていたのです。
一般的にヨーロッパの冬は日本の冬よりは寒さが厳しく、日照時間も短くて陰鬱なムードです。外に出ることもままならない季節に、夜、蝋燭のあかりの下で未来の伴侶に思いを馳せながら、鏡を見つめる。それがこの時期を「スクライングの季節」としてきた根拠でしょう。そしてまた、効果が高かったからこそ、それが伝統として継承されてもきたのです。
ということで、皆さんもこの時期、自分の未来を鏡や水晶球の中に探し求めてみませんか?技法は特にありません。リラックスして、ぼーっと鏡などを見つめるだけです。大切なのは、このときに、何々が見たい!などと力んでしまわないことでしょうか。それよりは、何か見えるといいな、程度のリラックス具合をキープしてください。寒い時期なのでホットミルクなどもそばに置いて飲むようにすると、体温が下がらないので風邪も予防できて、安全です。
(ヘイズ中村 魔女・魔術師&占い師・執筆家
中学生時代から研究と修行の道に入ったのに神秘性の欠片もない神秘家
HP https://www.fortunamoon.com)