恋の願掛けや水晶球占いに最適な季節、という他に、2月の初めのこの時期は「聖なる力が宿る水」に縁が深い季節でもあります。世界中の多くのパワースポットには、昔から「病気の治る井戸」や「霊験あらかたな温泉」などがあって、多くの人々の信仰を集めてきました。とくに聖母マリアが出現して以来癒しの力がある水が湧き出た、といわれるフランスのルルドの泉などが有名です。
こうした特別に有名な泉などではなくても、自然に湧き出た水には何らかのヒーリング・パワーが宿っていると考えられています。だって、大地の深い懐から長い年月をかけて地表まで湧き出してくるのですから、そこには尋常ではない「何か」がいっぱい入っていると考える方が妥当ではないでしょうか。
そしてこのインボルグは、凍りついていた井戸や泉の氷が少し溶け出す時期でもあります。厳しい冷たさと、文字通り凍りつくような静寂に包み込まれていた水が、また新たに流れ始める……そう考えれば、この時期の水の力強さは容易に想像できるはず。ということで、多くの土地で、インボルグの時期の水には聖なる力がある、として重要視されてきました。
水の採取方法は、方角や日時を細かくしているする日本の「お水取り」などよりはずっと簡単ですが、少し早起きする必要があります。まだ朝も暗いうちに、近所の泉や井戸へ出かけます。このとき、水を入れる容器の他にトンカチやハンマーを忘れずに持っていきましょう。足元のしっかりした靴を履いて、必要ならば懐中電灯も持参して。神秘のパワーを求める代わりに転んで大怪我、なんて笑い話にもなりません!
そして、水のあるところに着いたら、張っている氷を割ったりかき落としたりして、その下にある水を汲みましょう。一応、飲用にはしないで、お風呂の水などに加えて使うの安全です。神秘の水がどんな奇跡をもたらすかは、どうぞお楽しみに……!
(ヘイズ中村 魔女・魔術師&占い師・執筆家
中学生時代から研究と修行の道に入ったのに神秘性の欠片もない神秘家
HP https://www.fortunamoon.com)